国道338号線

ROUTE338

起点:北海道函館市→終点:青森県上北郡下田町(215.4km)

●概況

 国道338号線は北海道と本州を結ぶ3ケタ国道。津軽海峡は航路で渡る形となっている。全区間の9割以上を本州区間が占めている。

 本州区間は下北半島をS字型に進んでいる。太平洋側の区間は原発銀座地帯を通るため整備が進んでいるが、大間〜脇ノ沢間の平舘海峡に沿う区間は3ケタ国道らしい道となっている。

 誕生は1975年(昭50年)4月。当初は青森県むつ市が起点だったが、1982年(昭57年)4月に脇ノ沢〜佐井〜大間〜函館間が延長されて現在の姿になっている。なお、北海道内ではR279と重複している。

●DATA/走行日:各項参照/走行方向:各項参照/レポート記述方向:各項参照

国道338号線(1)

北海道函館市/青森県下北郡大間町〜青森県むつ市脇野沢

○国道338号線

  【北海道函館市

【レポートは函館駅前→函館港方向(起点→終点方向)です。】

 R338の起点は北海道函館市となる。1982年(昭57年)4月の改定で、起点が津軽海峡を渡って函館市となったのだ。起点は函館駅前のR5・R278・R279の交差点のようなのだが、R338の表示は国道標識を含めて一切設置されていない。

 詳しくはR279で書くのでここでは省略するが、途中までは路面電車の走る道幅の広い道で市街を走り、最終的には函館港南外れ付近において2車線道で終わる。そこから先は海上区間となる。

 函館から大間に向かうには、函館市街から離れた函館FTより東日本フェリーで大間港に渡らなければならない。

<<MEMO>>

■概況

 R338の北海道区間はR279と重複しています。詳しくはR279で触れますので、そちらを見て下さい。 

●走行DATA

北海道函館市

【起点→終点方向を走行】

>>走行日:2003年9月3日

○国道338号線

 青森県下北郡大間町〜青森県むつ市脇野沢

【レポートは青森県むつ市脇野沢→青森県大間町方向(終点→起点方向)です。】

■青森県むつ市脇野沢〜青森県下北郡佐井村

 むつ湾フェリー乗り場前から少し進むと、R338は脇野沢の町中に入る。やや狭い2車線道だが、歩道のある典型的な町中の道路となる。フェリー乗り場前から500mほど進んだ町中にある交差点(以下、脇野沢交差点と称します。)を右折してからしばらくの間は民家が立ち並んでいるが、400mほど走ると民家は途切れて町から抜け出す。町はずれにあるGSは最後のGS。ここから先は佐井村佐井地区までGSはない。

 2車線道を淡々と進み、脇野沢交差点から約3kmで道の駅『わきのさわ』前と通り抜けて脇野沢村滝山地区の集落へ入る。やがて民家が途切れると山中に入って行く。道は狭い2車線道だが、路面の舗装は悪化して荒れ気味になる。脇野沢交差点から6kmほど進むと冬期閉鎖用ゲートを通過。いよいよ3ケタ酷道区間に入る。

 最初は脇野沢川沿いに谷間を進んでいた道は、徐々に急坂となり、やがて急勾配・急カーブが連続する2車線ワインディング道路となる。ウネウネと6kmほど進むと道路脇に『海峡ライン』の碑が建っていた。この付近からは津軽海峡と陸奥湾を一望することが出来る。

 やがてR338はやや平坦な2車線道となり、山の尾根の東側を進むようになる。しばらくブラインドカーブが連続する尾根道を走る。右側には陸奥湾が見える。やがて尾根から離れて山の麓に向かうようになり、2車線道のまま急勾配・急カーブが連続する下り坂となる。5kmほど進むと平坦な道となり酪農地帯を通るようになる。

 平坦な道を2kmほど進むと下北郡佐井村に入り、ほどなくしてT字交差点に到着。r253(県道長後川内線)との交差点である。脇野沢交差点から約25kmである。

1.脇野沢の町中にある交差点。ここを右に曲が

 る。写真手前が大畑方面となる。

2.脇野沢滝山地区までは整備された2車線道

  が続く。ローカル国道っぽい区間。

3.やがてこういう感じの道となる。見える海は平舘

 海峡。(大間→脇野沢方向を撮影)

4.こんな感じのヘアピンが連続するが、道は整

 備されているので走りやすい。

5.山中を淡々と走る。尾根の東側を走るので平

  舘海峡は見えない。

6.やがて坂を下って平坦な道になる。この先がr

 253との交差点。

■青森県下北郡佐井村【佐井村野平〜佐井村福浦】

 r253交差点を左折すると2車線幅の緩やかな坂道を駆け上る。最初は直線道路だったが、すぐに急カーブが連続するワインディングとなり牛滝川の谷間に向かって一気に下って行く。r253交差点から4kmほど進むと佐井村牛滝集落へ向かう道路が分岐。道は2車線幅のまま急勾配の上り坂となり、急勾配・急カーブが連続するワインディング道で山腹を駆け上って行く。

 佐井村南部の集落は河口付近に広がるわずかな平地にある。川は深い谷を形成したため、道は集落前後では急勾配の坂と急カーブで一気に標高を落とさなければたどり着くことが出来ない。R338は集落前後で大きくアップダウンしながら進んで行くのだ。

 牛滝入口から5kmほど進むとセンターラインがなくなり、1.5〜狭い2車線道になった。1kmほどだが見通しの悪いカーブが連続する。仏ヶ浦パーキング前後でセンターラインが少しだけ復活するが、センターラインのない道が続く。海岸近くの山腹をウネウネと進んで行き、急な坂道を下ると佐井村福浦地区の集落に到着する。r253交差点から約17kmである。

7.佐井村野平のr253交差点。大間方向から来

 た場合は、ここを左折する。直進はr253。

8.牛滝集落入口からR338は急坂で一気に

 上って行く。海に近いのだが山深い。

9.仏ヶ浦付近では狭路区間が現れ酷道っぽくな

  る。周囲は山深く、山中の道に見える。

10.再び2車線道が現れる。下り坂で福浦地区

  へ下って行く。

11.狭い2車線道で福浦地区へ下る。

  (大間→脇野沢方向を撮影)

12.写真11の地点から大間方向を撮影。ここが福

  浦地区。R338は右に進む。

■青森県下北郡佐井村【佐井村福浦〜佐井村佐井】

 佐井村福浦地区の集落を通り抜けると、急勾配の2車線坂で谷間から一気に尾根へと駆け上がる。2kmほど進んでヘアピンカーブを幾つかクリアすると、やや狭い2車線道を5kmほど進む。やがて道幅は狭くなり、1.5車線ぐらいとなって再び急カーブが連続する急坂を下って行く。佐井村長後地区の集落を過ぎると、狭い2車線道となり3kmほど進むと整備された平坦な2車線道に入り酷道区間から脱する。

 長後地区から約4kmで佐井村磯谷地区の集落を通り抜ける。この付近からR338は海岸のすぐ側を通るようになる。それでも地形上アップダウンを繰り返して進んで行く。『願掛岩』と呼ばれる巨岩脇を通り抜け、1.5kmほど進むと佐井村矢越の集落に入る。ここからはほぼ平坦な道となり、よくあるローカル国道の様な風景の中を進んで行く。そして矢越地区から2kmほど進むと佐井村の中心地である佐井村佐井の町中に到着する。佐井村福浦地区から約17kmである。

13.再び急坂で山の尾根部へと上がって行く。

  道は2車線道で走りやすい。

14.尾根部では平坦な道になることもしばしば。

  山間の3ケタ国道という感じだ。

15.佐井村長後地区南端付近。センターラインの

  ない狭い2車線道となる。

16.磯谷地区からは海岸のすぐ近くを通る。整備

  された快走2車線道。

17.佐井村矢越地区。小さな集落を繋いで進ん

  で行く。(大間→脇野沢方向を撮影)

18.佐井村佐井の町中に入る。道はご覧の通り狭

  路となり、町中をクネクネと進んで行く。

■青森県下北郡佐井村〜青森県下北郡大間町

 佐井村佐井の町中に入ると、R338は1.5車線幅の狭路となって町中をクネクネと進んで行く。道のすぐ側まで民家などが建っているので拡張が難しいのだろう。

 大佐井川を渡るとr4(県道川内佐井線)との交差点に出る。まずはここを左折する。100mほど進んだ所にあるT字交差点を右折すると、漁港へ向かう道との交差点を過ぎて緩やかな右カーブにさしかかる。そのまま道なりに進み古佐井川を渡るとr284(県道薬研佐井線)との交差点を左折。あとは道なりに進んで行く。町中は狭路のままクネクネ曲がるので見通しが悪く、対向車との離合が困難な場所もある。ローカル3ケタ国道らしい風景だ。

 佐井地区を抜けると平坦な2車線道に戻り海岸沿いに北上を続ける。佐井村原田地区を抜けて2kmほど進むと、何もない丘陵地帯を通り抜ける。やがて下北郡大間町に入り、約2kmで大間町奥戸地区の町中を通り抜ける。以後も淡々と海岸沿いを進んで行く。

 奥戸地区から約3kmで(当時建設中の)BP分岐点を通過。少し進んだ所にある交差点を右に進むと整備された2車線道にでる。さきほどのBPがここに着く予定のようだ。あとは整備された2車線道を走るとR279との交差点に到着する。

 佐井の町中から14km、約脇野沢交差点からだと約73kmである。

19.佐井村北部は丘陵地帯を進んで行く。交通

 量は多くなる。

20.右に分岐するのが、当時建設中だったBP。

  今は開通したのだろうか?

21.整備された2車線道を進むとR279との交差

  点に到着。R338は直進する。

■青森県下北郡大間町

 R279との交差点が終わりではなく、R338はR279を越えて大間町の町中へと入って行く。道は町中の2車線道路で、国道を示す標識などはない。消防署前を過ぎて300mほど進むとT字路に突き当たる。すぐ近くに保育園がある。ここを左折すると完全に町中の道となった1.5車線の狭路を進んで行く。ビジネスホテル前を通り過ぎると緩やかな坂道となり、この坂道を下ると十字路に出る。ここでR279と合流する。

 この十字路を右折すると大間市街の中を通る狭い2車線道となり、道なりに進んで行く。250mほど進んだ町中で左折して高磯崎方向に向かうと、すぐに大間港に到着する。ここがR338の本州区間終点である。距離にして約1kmほどであった。

22.R279交差点から300mほど進むとT字交差

 点に出る。ここは左折する。

23.町中の狭い2車線道がR338。

  (大間→脇野沢方向を撮影)

24.二度目のR279との交差点。R338は右方

  向。(R279むつ市方向より撮影)

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 この区間は『海峡ライン』という愛称がついているように、平舘海峡の東岸を北上する区間です。この区間はR338全区間の中でも『酷道度』の高い区間となっています。道自体はある程度整備が進んでおり、2車線区間が多く3ケタ国道としては走りやすい部類に入ります。走る場所が場所だけに、”秘境を走る国道”ということでは酷道ということになるでしょう。

  むつ市脇野沢(旧:脇野沢村脇野沢)〜佐井村野平は秘境を走る3ケタ国道、佐井村野平以北は、集落を繋ぐローカル3ケタ国道というところでしょうか。

 交通量は大間から南下するにつれて減って行きます。佐井村佐井以南は地元車ぐらい。シーズン中に観光客の車や観光バスが通るぐらいです。脇野沢〜佐井村野平の交通量はかなり少なく、私が走った時に出会ったのは2台ぐらいでした。

■ガソリンスタンド

 GSがあるのは限られた場所となります。この区間を走る時は必ずガソリンの残量を確認してからトライして下さい。

むつ市脇野沢地区〜佐井村佐井の間にGSはありません。 佐井村佐井以北、大間までの間には数軒のGSがありますが、営業時間・休業日などには注意して下さい。

■アドバイス

 秘境区間でも2車線道が多いので走りやすい道です。ただ見通しの悪いカーブが連続するので対向車などには注意が必要です。逆に途中にある狭路区間の方が走りにくいかも知れません。途中、何カ所か休憩所(パーキング)が設けられています。トイレも設置されているので利用価値大です。

 バイク・車の運転初心者の方は出来る限り2人以上で行かれることをお勧めします。

 アップダウンが激しい道なので、自転車で走る道としてはかなりつらい道となります。時間・体力などには十分に注意して計画を立てて下さい。商店や自販機などは集落以外にはありません。食料・飲み物などは脇野沢や大間・佐井の町中で購入しておいた方が無難でしょう。ちなみに佐井村佐井以南では、佐井村矢越・長後・福浦・牛滝・野平地区以外には集落(民家)はありません。佐井村野平から南は むつ市脇野沢滝山(旧:脇野沢村滝山)地区付近まで集落(民家)はありませんので注意して下さい。

■注意点

 悪天候時は走らない方が無難です。晩秋〜早春は路面凍結・積雪のある道なので、冬期走行はよほどのことがない限りはやめた方がいいでしょう。

 なお、下北郡佐井村野平(r253交差点)〜下北郡脇野沢村源藤城間の約18kmの区間は、11月下旬頃〜翌年4月中旬頃まで冬期閉鎖区間となります。

>>佐井村佐井地区

 町中ではクネクネと曲がりながら進んで行きます。脇野沢→大間方向には問題ないのですが、大間→脇野沢方向で南下する場合はミスコースしやすい所です。古佐井川を渡り、緩やかな左カーブをクリアした先は、GS(ENEOS)を過ぎた交差点を左折で次のr46との交差点を右折です。GS手前で右折してもr46との交差点には出ますが、それはミスコースとなります。案内はあまり設置されていなかったように思います。注意して下さい。

●走行DATA

青森県下北郡大間町〜青森県 むつ市脇野沢

【終点→起点方向を走行】

>>走行日:2003年9月1日

【合併情報】

●2005年(平17年)3月14日付けで、青森県下北郡脇野沢村、川内町、大畑町の1村2町が青森県むつ市に編入されて『青森県むつ市』になりました。

>>国道338号線(2)

R329〜R390に戻る