国道425号線TOP

国道425号線(1)

国道425号線 (2)

 和歌山県田辺市龍神村内の区間。 龍神村小家〜福井〜西〜湯ノ又までの間は和歌山県の内陸部骨格道路(X軸ネットワーク)に含まれ、整備改良されて快適な2車線道になっています 。R371から分岐して龍神村湯ノ又から県境まではR425屈指の秘境区間。龍神温泉と十津川温泉を結ぶ道路と書けば聞こえは良いですが、実際は元林道を昇格して舗装しただけの悪路。”日本三大酷道”の一つに数えられるR425の真骨頂です。

和歌山県田辺市龍神村(龍神村小家〜龍神村湯ノ又)

和歌山県田辺市龍神村(龍神村湯ノ又〜県境)

●歴史(奈良県吉野郡十津川村〜和歌山県田辺市龍神村 )

1)十津川往来

 奈良県吉野郡十津川村と和歌山県田辺市龍神村を結ぶ古道に『十津川往来』があった。十津川往来はいくつかのルートが存在していた。本道となるのは(龍神村)小又川五味内垣(今の寺内垣付近?)を起点するルート。ここから坂道を一気に上がり大峠山(標高1097m)に出た後は東に進み県境(1130m)を過ぎ、尾根づたいに牛廻山の山腹を通って十津川村迫西川に至っていた。十津川村内は資料がなく不明だが、迫西川沿いか尾根づたいに進んでいたのだろう。他には大峠山から南西に尾根づたいに進み龍頭に出て龍神村三ツ又に至るルート。そのルートの途中、龍頭の北付近で龍神村国戸に向かうルートがあった。

 川沿いに進むルートもあり、本道の北側、小又川沿いに西河〜中河〜イザサ谷口〜蟻の越と通って十津川村に入るというルートもあった。こちらは”古道”と呼ばれたらしく杣師や山人夫が通った小道だった。現在のR425とほぼ同じルートとなり、先祖筋にあたる古道ということになる。同じく川沿いに進んでいたルートとして、丹生ノ河〜加庄口〜菅野〜十津川村河俣〜上湯川があり、『十津川越古道』と呼ばれた。現在のr735(県道龍神十津川線)とほぼ同じルートで、同県道の先祖ということになる。

2)上山路十津川線

 明治時代に入ると道路整備が進むことになるが、龍神村から田辺・御坊・有田方面への街道が主体とな る。『龍神村誌』には龍神村〜十津川村間の街道の改修に関する資料や記述はないが、明治21年(1888年)に上山路村(現:田辺市龍神村)役場がまとめた「里道内甲種取調表」に”十津川往来”が記載されて いる。上山路村大字東〜奈良県吉野郡十津川村上湯川を結ぶ往来(街道)で、村内は東〜殿原〜丹生ノ川を経由している。 前述の古道から発展した街道であろう。

 大正8年(1919年)の(大正)道路法の制定により、十津川往来は”郡道上山路十津川線”と改められた。経路は”上山路村大字殿原郡道終点ヨリ大和吉野郡十津川村国境ニ至ル”とあり、重要経由地として大字丹生ノ川と記されている。大正12年(1923年)に郡制廃止にともない、上山路十津川線は上山路村道となった。丹生ノ川経由の道路が郡道→村道に指定されているところからも、明治〜大正時代の龍神・十津川間の交通連絡は上山路十津川線が主体であったといえる。

3)林道→県道→国道へ

 昭和初期〜昭和30年代に至る間の龍神村の道路事情に関する資料がないので推測となるが、西河流域を進むルートもあることはあったがようだが、あくまでの迫西川などの集落への道と思われる。龍神村〜十津川村間の連絡は丹生ノ川〜湯川沿いに進む引牛越経由のルートが主体であったようだ。

 戦後になってこの地方にも自動車の波が押し寄せてくる。奈良県側では「奥吉野総合開発事業」の一環として、十津川の主な支流に沿って11路線の林道が、昭和31年(1956年)に森林開発公団の事業として着手された。11路線は順次工事が進み昭和35年(1957年)に 開通した。このうち十津川の支流西川沿いに建設されたのが林道迫西川竜神線で、西川流域の最奥(最西)の迫西川(せにしがわ)集落まで達していた。また同じ十津川支流の湯川沿いに進む林道上湯川線も建設され、こちらは引牛越を越えて日高川上流の和歌山県龍神村にまで達している。

 『十津川』(p190-p191)には”上湯川線の如きは延長二八粁に及び平谷より湯川渓谷を伝って西し(西進しの誤植?)引牛越を越え日高川上流の和歌山県に出て、はるか田辺市と結ぶに至ったもので、この方面の交通に大変化を与えた。”と記載されており、林道上湯川線が和歌山県側の道路(村道上山路十津川線の後身となる道路か林道)と接続したことをしめしている。この頃までに丹生川沿いの道路も車が通ることができるぐらいに改良されていたのだろう。この経路は後に県道龍神十津川線に指定されている。

 小又川沿いのルートであるが、龍神村側の林道開設事情については資料がないので、これまた推測となるが、龍神村小又川地区からは小又川に沿って上流に向かって林道が建設されていたと思われる。前述の”古道”と呼ばれたルートをほぼ踏襲して建設されたらしい。(『龍神村誌』p814による) その林道が県境で林道迫西川竜神線と接続し、牛廻越・蟻ノ越経由の車道も開通したのだろう。林道が開通した年月は不明だが、牛廻越・蟻ノ越経由のルートは昭和47年(1972年)7月に県道龍神平谷線に指定された。五年後の昭和52年(1977年)3月には主要地方道県道御坊十津川線(r32)となり、さらに昭和58年(1983年)2月に主要地方道田辺十津川線となった。

 昭和57年(1982年)4月にR425は誕生しているが、十津川村〜龍神村間は東牟婁郡本宮町(当時)・西牟婁郡中辺路町(当時)を経由していた。すなわちR168〜R311〜R371と重複して進み、龍神村西でR371から分岐して福井〜小家へと向かっていた。十津川村〜龍神村間が現在の牛廻越経由となったのは平成5年(1993年)4月のことである。引牛越の龍神十津川線ではなく田辺十津川線を昇格したのは、田辺十津川線が主要地方道であったからだろうか?

【参考・引用文献】 十津川  (昭和36年5月刊)/龍神村誌 (昭和62年10月刊)

国道425号線 和歌山県田辺市龍神村(龍神村小家〜龍神村湯ノ又)

【レポートは龍神村小家→龍神村湯ノ又方向(終点→起点方向)です。】

■田辺市龍神村【龍神村小家〜龍神村福井】

 田辺市龍神村(旧:日高郡龍神村)小家地区からはR424と重複する。小家地区からR371重複区間の龍神村湯ノ又地区までの間は、和歌山県の内陸部骨格道路(X軸ネットワーク)として整備・改良が進められている区間で、小家からのR424・R425は整備された2車線道が続く。

 日高川に沿って快適な2車線道で山間を3kmほど進むと龍神村甲斐ノ川の集落に至る。集落内を経由する旧道が分岐すると、バイパス道路の一部となる甲斐ノ川トンネル(L=603m)を通り抜けて龍神村福井に入る。再び日高川沿いを700mほど進むと道の駅『水の郷日高川龍游』を過ぎ 、R425福井バイパス区間に入る。R425福井バイパスも内陸部骨格道路の一部として整備された道路。R424重複区間も一部が含まれている。

 道の駅前から整備された2車線道で500mほど進むとR425福井バイパスの大正橋西詰に到着。ここでR424から単独分岐して龍神村西地区に向かう。

1.龍神村小家のR424・R425交差点を福井側から見

  る。R425印南方面には左に向かう。

2.交差点手前の案内標識の支柱に『大型車通行不

  能』の標示が・・・。実際、この通りになる。

3.交差点角にある矢印国道標識。R424とR425が重複す

  ることを示す。(1002)

 

4.整備された2車線道を進み、やがて大正橋西

  詰に至る。R425はこのまま直進。(1009)

5.大正橋西詰。R424みなべ方面は右折、R425は直進

  する。H22に道は大きく変わった。(1009)

 

<<撮影年月の記載が無い写真はすべて平成25(2013年)11月撮影>>

■田辺市龍神村【龍神村福井〜龍神村西】

 R425は龍神村福井の大正橋西詰で単独分岐して、そのまま整備された2車線道となって進んで行く。大正橋東詰から先は平成22年(2010年)8月28日に供用開始となった 『R425福井バイパス』区間。全区間(L=2.44km)のうち、R424との重複区間〜大正橋東詰までの約500mは供用済みだったため、残る約1.9kmが供用された。この区間も内陸部骨格道路(X軸ネットワーク)の一部として整備された区間で、平成15年(2003年)度に事業着手されていた。開通するまではR424手谷橋南詰で分岐して、蛇行する日高川に沿ってS字を描くようにして進んでいたが、バイパス全通で距離と走行時間は大幅に短縮されている。

 大正橋東詰の信号機のある交差点を過ぎると下福井トンネルに入る。ほぼ直線のトンネルを抜けると、そのまま整備された見通しの良い2車線道を進み、R425旧道と日高川を祇園橋で渡る。祇園橋を渡ると今度は上福井橋(L=660m)を通り抜け て龍神村柳瀬地区に入り、日高川沿いを進んで来る旧道との交差点に至る。

 交差点を過ぎると日高川を渡って六地蔵トンネル(L=442m)を通り抜け、2車線坂道を上ってr29(県道田辺龍神線)との交差点に至る。r29交差点からは日高川右岸に沿って平坦な2車線道で進んで行く。川の流れに沿って進むためにウネウネと曲がりながら進むのだが、整備されて見通しの良い道路が続くので快走できる。

 六地蔵トンネルから5kmほど進むと、龍神村西地区の町中に入り、やがて上山路橋西詰のR371との交差点に到着する。

6.大正橋を渡って少し進むと入る下福井トンネル。

  西側(R424側)抗口を撮影。

7.下福井トンネルを出てからも、見通しの良い2車線道

  が続く。先に上福井トンネルが見える。

8.祇園橋を渡ると、今度は上福井トンネルに入る。トンネ

  ル西側(R424側)抗口を撮影。

9.上福井トンネルを出るとR425旧道との交差点に

  至る。現道はもちろん直進。

10.日高川を渡って六地蔵トンネルに入る。トンネル西

  側(R424側)抗口を撮影。

11.r29交差点からも快適な2車線道が続く。

  (1004)

12.見通しの良い整備された2車線道が続く。

  (R371→R424方向を撮影) (1004)

13.六地蔵トンネルから約5kmで龍神村西地区に至

  る。(R371→R424方向を撮影) (1004)

14.この先の上山路橋西詰交差点でR371と合流。

  ここから重複して北に向かう。(1004)

<<撮影年月の記載が無い写真はすべて平成22年(2010年)9月撮影>>

■田辺市龍神村【龍神村西〜龍神村湯ノ又】

 上山路橋西詰交差点からはR371と重複して進んで行く。重複区間に入ってからも、今までと同様の平坦でカーブが連続する2車線道が続き、山間の集落を繋ぎながら蛇行する日高川に沿って進んで行く。ひたすら川沿いに進むのではなく、区間内のR371には宮代トンネル(L=332.5m)、広井原トンネル(L=462m)、湯ノ又隧道(L=207m)の3箇所のトンネルが存在しており、川と山を直線的に貫いて進んでいる。

 何度か日高川を渡りながら進み、湯ノ又隧道を出ると川の左岸を進むようになる。蛇行する川に沿って大きなカーブを曲がりながら進んで行くと、田辺市龍神村湯ノ又の古宮地区にあるR371の龍王橋南詰に到着。R425はここでR371から単独分岐し、いよいよ紀伊半島らしい3ケタ国道区間に入ってR168に向かう。上山路橋西詰から約14kmである。

15.龍神村西地区からはR371と重複して進んで行く。

  道は整備された快適な2車線道。

16.国道標識はR371の物しか設置されていないが、

  R371とR425の重複区間である。

17.やがて龍王橋南詰に到着。龍神村西地区から来た

  場合、R425へは右折してトンネルに向かう。

<<写真はすべて平成22年(2010年)4月撮影>>

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 田辺市龍神村小家〜湯ノ又間は、 R371とR424の上位国道との重複区間となっており、早くから整備改良が行われていました。和歌山県の内陸部骨格道路(X軸ネットワーク)に含まれる唯一のR425でもあり、R425福井バイパスの供用開始により大幅に改善されました。 平成26年時点で、単独区間(上位国道との交差点間)全区間が整備された2車線道となる唯一の区間となっています。

 R424やr198(県道龍神中辺路線)とR371高野龍神スカイラインを結ぶ道路となっていることから、交通量の多い区間となっています。特に行楽シーズンは観光客の車やバスなどの通行量が増えるので注意してください。

■ガソリンスタンド

 龍神村福井地区、西地区などの町中や沿道に数軒あります。

■アドバイス

 道路的には問題なく走行できます。速度の出し過ぎに注意が必要です。

■注意点

 悪天候時の走行は注意してください。また冬期は路面凍結・積雪に注意が必要です。

●走行DATA

和歌山県田辺市龍神村

【終点→起点方向を走行】

>>走行日:平成22年(2010年)2月25日/4月8日/9月9日/他多数

注意>>この区間は、走行方向問わず頻繁に走行しています。走行日は使用写真の撮影日のみを記載しています。

【合併情報】

●平成17年(2005年)5月1日付けで、和歌山県日高郡龍神村、西牟婁郡中辺路町、西牟婁郡大塔村、東牟婁郡本宮町の2村2町 と和歌山県田辺市が

 対等合併しました。このうち龍神村は『和歌山県田辺市龍神村』になりました。

■この項終わり

国道425号線 【和歌山県田辺市龍神村】(龍神村湯ノ又〜県境)

【レポートは田辺市龍神村→県境(奈良県吉野郡十津川村)方向(終点→起点方向)です。】

■和歌山県田辺市龍神村【龍神村湯ノ又】

 R425は田辺市龍神村(旧:日高郡龍神村)湯ノ又にあるR371龍王橋南詰で単独分岐する。龍神村西地区方面から来た場合は、交差点を右折して小又川トンネル(L=110m)に入ることになる。小又川トンネルは平成12年(2000年)11月に開通したバイパストンネルで、それまではR371旧道を一部含めた狭路となっていた。

 交差点からR425を見ると整備された2車線道のトンネルとなっており、この先も走りやすい道が続くように思うかも知れないが、トンネル前には『幅員狭小』と迂回路が記された標識が設置されており、この先が悪路であることを予告している。

1.R371高野山方向から交差点を見る。左方向は狭路と

  記されているが、その通りになる。

2.R425に入ると小又川トンネルに入る。歩道のある

  立派なトンネル。旧道はここから離れた所を通る。

3.抗口前には、こんな標識がある。”悪路だからR311に迂

  回してね”ということ。

<<写真はすべて平成22年(2010年)4月撮影>>

■田辺市龍神村【龍神村湯ノ又〜龍神村小又川】

 小又川トンネルを出ると日高川支流の小又川を渡る。橋の東詰で川沿いに進む狭路の旧道と合流すると、1〜狭い2車線道で川沿いを2kmほど進んで龍神村小又川地区の集落に至る。この集落が和歌山県側最後の集落となる。

 集落内を平坦な1.5〜狭い2車線道で進んで行く。カーブに設置されているミラーの支柱には『転落 死亡事故多し』という標識が取り付けられている。この標識はこの先にも何枚か設置されているが、紀伊半島の3ケタ国道ではR425でしか見ていない。日本有数の悪路国道であることを物語る標識である。

 広狭混在の道を400mほど進むと小さな川を渡る橋に至る。西詰には小又川トンネル前にあったのと同じ標識が設置されており、『転落死亡事故多発』という警告看板も設置されている。橋を渡ると荒れた1車線狭路が延々と続く悪路区間となるので、走行に不安があるのであれば引き返すことをお勧めする。なお、この付近にある民家が和歌山県側最後の民家となり、この先約20kmは民家はない。

4.小又川トンネルを出ると悪路らしい標識がある。

  確かに通行不可能である。左の道は旧道。

5.しばらくは狭い2車線道を進んで行く。R168まで約

  45km。R425経由だとかなり時間がかかる。

6.一部にはセンターラインもある。

  (R168→R371方向を撮影)

7.小又川集落までの間に少しだけ1車線狭路区間があ

  る。対向車に注意。

8.やがて幅広の道となり小又川地区の集落に至る。

  和歌山県側最後の集落。

9.『転落死亡事故多し』の標識が・・・。悪路らしい光景。

  さすがは3ケタ国道。

 

10.集落の外れ。早期改良の文字があるが、いつになっ

  たら実現できるのだろう?

11.この先からは1車線狭路の続く悪路区間に突入

  する。引き返すならここで・・・。

 

<<写真はすべて平成22年(2010年)4月撮影>>

■田辺市龍神村【龍神村小又川】

 田辺市龍神村小又川の集落を過ぎると、R425は人家のない谷間を進んで行く。小又川に沿って見通しの悪い1車線狭路が続く3ケタ国道となる。路面状態は非常に悪く、あちこち舗装が剥がれていたり亀裂が入っているのは当たり前で、場所によっては苔が生えていたりする。あちこちに落石が転がり、土砂崩れの跡や小規模な土砂崩れが放置されたままになっているなど、3ケタ国道でも悪路度の高い道が続く。

 小又川の右岸を進むのでウネウネとカーブを繰り返しながら淡々と進んで行く。小又川集落から3.5kmほど進むと、谷間から抜けて明るく見通しの良い道となり、程なくして小又川と西の河の合流点に至り、西河谷に沿って進む林道西の河線分岐点に到着する。

12.小又川集落を過ぎると荒れた路面の狭路になる。

  薄暗い谷間を行く。

13.断崖下を進む区間では、路面に落石が多い。苔が生

  えている場所もある。

14.すれ違い場所?右側はダートの広場になっている。

  引き返す場所にもなる。

15.ガードレールない川沿いの悪路だが、国道標識が

  設置されているので国道に違いない。

16.こういう場所も通る。紀伊半島の3ケタ国道らしい道

  だ。

17.やがて林道西の河線分岐点に至る。R425は右に進ん

  で橋を渡る。左の道は林道。間違わないように。

<<写真はすべて平成22年(2010年)4月撮影>>

■田辺市龍神村【龍神村小又川】

 R425は林道西の河線分岐点を右に向かい西河谷を渡る。小又川に沿ってウネウネと深い谷間を進んで行くが、道路状態は相変わらず悪く、見通しの悪い荒れた路面の1車線狭路が続く。もともと林道だった道を舗装しただけなので、線形も林道時代とさほど変わっていないようだ。

 悪路区間に入って4kmも進むと少しは慣れてくるようで、ガードレールのないのが当たり前となる。逆にガードレールがあるほうが珍しくなってくる。路肩に近づき過ぎると危ないが、山の斜面寄りも落石などがあって危ない。どっちにしろ危ないので慎重に走らねばならない。そんな車同士の離合が困難な見通しの悪い狭路を淡々と進む。路面状態が悪いのと対向車に注意して進むので速度は遅い。

 林道西の河線分岐点から3kmほど進むと中河谷を渡って、林道中の河線分岐点に到着する。

18.傾いた国道標識が立っている。以前に土砂崩れがあ

  ったのだろうか?

19.しばらく走っているとガードレールがないのが当たり

  前になる。路肩に寄りすぎないように。

20.路肩に白線があるのは整備された場所ということか。

  断崖下行く狭路を進む。落石や苔に注意。

 

21.『県境まで8km』とある。こんな道が少なくともあと

  8kmは続く。

22.中河谷を渡る橋の西詰にも国道標識がある。

  (R168→R371方向を撮影)

 

<<写真はすべて平成22年(2010年)4月撮影>>

■田辺市龍神村【龍神村小又川】

 林道中の河線分岐点を過ぎてから少し進むと、狭路坂道となり少しづつ標高を上げて川沿いから離れる。見通しの悪いカーブをいくつかクリアしながら進み、林道分岐点から2kmほど進むと家屋が現れる。小又川集落と県境の間にある唯一の家屋なのだが、作業小屋のような家屋で人家ではないようだ。

 家屋を過ぎてからも山中を進む。悪路らしく(?)、見通しの悪い急カーブなどには、『転落 死亡事故』と書かれた標識が取り付けられたカーブミラーが設置されている。過去に転落事故が起きたことがあるのだろうか。事故が起きても気付いてもらうのは困難だろう。

 しばらく進むと断崖下を進んで行くようになる。アップダウンのある狭路を淡々と進んで行くと、やや広い道幅となり、林道猪笹線分岐点に到着する。林道中の河線分岐点から約5kmである。

23.断崖の下を進む。3ケタ国道らしい光景だ。

  どこまで進んでも小又川・・・。

24.R425は狭路坂道となり少しずつ標高を上げて行く。

  鬱蒼とした山中を進む。

25.小又川集落〜県境間にある唯一の家屋。作業小屋の

  ようで人家ではないようだ。

26.この付近が分水嶺か?切り通しを抜ける。

  (R168→R371方向を撮影)

27.この区間でよく見られる標識。R425と言えばこの標

  識か。

28.相変わらず断崖下を進む。国道標識もかなり増設され

  た。

29.淡々と山中の狭路を進む。相変わらずガードレール

  のない区間が多い。

30.狭路坂道を下ると国道標識があった。

  (R168→R371方向を撮影)

31.写真30の先で林道猪笹線分岐点に至る。R425は右に

  向かう。ここは道なりに進めば良い。

<<写真はすべて平成22年(2010年)4月撮影>>

■田辺市龍神村【龍神村小又川〜県境】

 林道猪笹線分岐点を道なりに右に向かうと、イダサ谷を猪笹橋で渡る。そこから先はやや急勾配の狭路坂道となり、県境目指して標高を上げて行く。ガードレールのない狭路が続くが、1〜1.5車線道が断続するようになり、気分的に少しは楽になる。しかし路面状態は相変わらず良くなく、大雨で出来た路上河川が残っている場所があった。

 淡々と深い山中を進んで行き、林道猪笹線分岐点から約2.7kmで和歌山県と奈良県の県境となる蟻ノ越に到着する。龍神村湯ノ又のR371交差点から約17kmである。 距離的にはそう長くはないのだが、実際に走るとかなり長く感じる。

32.林道猪笹線分岐点からR425県境方面を見る。

  イダサ谷を渡ると狭路坂道となっている。

33.猪笹橋東詰から林道分岐点を見る。ここから龍神温

  泉まで約14kmだそうだ。

34.断崖下を狭路坂道で進む。若干道幅が広がるので、

  気分的に少し楽にはなる。

35.大雨時の路上河川の名残か。土砂も堆積していた。

  (R168→R371方向を撮影)

36.路面状態の悪い狭路を進む。国道標識が無ければ

  舗装林道と言っても信じるだろう。

37.ガードレールのない狭路を坂道を進む。

  路肩には近寄りたくない。

38.この標識が、県境に向かった場合に和歌山県内

  最後のR425標識となる。

39.写真38の反対側の標識。カーブ出口にある。

  県境からだと和歌山県内最初の標識。

40.R371交差点から約17kmで和歌山県・奈良県県境に

  到着する。(R168→R371方向を撮影)

<<写真はすべて平成22年(2010年)4月撮影>>

■昔のR425

■『転落死亡』の標識

 R425の和歌山県田辺市龍神村〜奈良県吉野郡十津川村間のうち、和歌山県内の区間はレポの通り狭路が続く悪路区間。ガードレールが設置されていない区間も多く、ハンドル操作を誤ると谷底に転落する事故も起こるらしい。そのためか、R425には転落事故を注意する標識が設置されている。

 平成12年(2000年)5月走行時に撮影したのが左の写真もその一枚。転落注意の標識だが、ご覧の通り”死亡”が逆転している。転落して転覆したことを現しているのだろう。他にも『転落死亡事故』という標識はあったが、このタイプは区間内に唯一枚だけであった。うまいこと表現している標識だとつくづく思う。

 平成22年(2010年)4月走行時、この標識を探したのだが見つからなかった。見落としたのか?目立つから見落とすことはまずないと思うのだが・・・。あまりにもリアルすぎて苦情が来て撤去されたのかもしれない。

■あんまり変わらないR425

 R425の和歌山県田辺市龍神村〜奈良県吉野郡十津川村間は、平成7年(1995年)11月に初走行。平成9年(1997年)5月に2回目、そして3回目は3年後の平成12年(2000年)5月に走行。平成9〜12年の間に『転落死亡事故』などの標識が設置されたように記憶している。

 その後、何度か走行しようと考えるも、台風や大雨による土砂崩れなどによる通行止や長期に及ぶ復旧工事による時間通行規制などで機会を逃し続け、4回目となったのが平成22年(2010年)4月という流れ。今見てみると、道路状態は平成7年の時とほとんど変わっていない。R425の国道標識が増えたぐらいだ。

 この区間(R371〜県境)の小又川集落以東は奈良県十津川村に入るまで沿道に集落がないので、整備はなかなか進まないと思われる。部分的にすれ違いが出来るぐらいに路肩を広げるとか、ガードレールが設置されるとかの整備はされるだろう。しかし道路の抜本的な改良、道路拡幅とかバイパス建設ということはなかなか難しいだろう。おそらく数年は今のままの状態が続くと思う。

 牛廻越下に高規格道路のトンネルを通し、快適な快走国道となる日は来るのだろうが?

1.平成12年5月に撮影した建設中の小又川トンネル。

  この後、しばらくして開通した。

2.多分写真18の地点だと思う。土砂崩れがあって大きく

  変わったのだろうか?

3.写真38と同じ地点で撮影。標識に『田辺市』が入った

  ぐらい。バイクも変わっていない。

 

 

4.@管理人が持つ一番古いR425の写真。たぶん写真

  30の地点だと思う。他にもあったらアップします。

 

 

<<撮影年月の記載が無い写真はすべて平成12年(2000年)5月撮影>>

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 R425の和歌山県田辺市龍神村〜奈良県吉野郡十津川村間(約46km)のうち、和歌山県内区間(約17km)はR425全区間で最も悪路度の高い区間です。R425の真骨頂と言える区間であり、田辺市龍神村内の快走2車線道区間と同じ国道とは思えない悪路・狭路が続きます。この区間は『国道だから大丈夫だろう』と思って走ると、とんでもない目に遭う典型的な3ケタ国道区間です。バイク・車の初心者の人や、興味本位での走行はやめておいた方がよいです。

 龍神温泉と十津川温泉を結ぶ観光ルートになるのですが、とても観光客にお勧めできるような道路ではないのはご承知の通り。田辺市龍神村〜吉野郡十津川村間の移動であれば、R371〜r198(県道中辺路龍神線)〜R311〜R168というルートが遙かに安全で早く移動できます。カーナビは最短距離でルートを表示するため、最短距離のR425を表示しますが、距離は長くても安全なルートを選択することをお勧めします。

 整備・改良に莫大な費用と年月がかかるため、当分は悪路・狭路のままとなるでしょう。道路拡張・改良が困難なのなら、せめて未設置場所へのガードレールの設置だけでも実施して欲しいものです。ガードレールがあるだけでも、気分的に余裕を持って運転できるものなのです。

 交通量はほとんどありません。平日は地元車と希に出会うぐらいです。土日や観光シーズンは、ナビに誘導されて迷い込んできた観光客の乗用車かツーリングのバイク、沿道の林道に向かうオフバイクに会うことがあります。

■ガソリンスタンド

 ありません。最寄りは田辺市龍神村のR371(重複区間)沿いにあるGSとなります。

■アドバイス

 基本的に悪路走行の初心者の方は行かれない方がよいでしょう。車だと路肩から脱輪、下手すれば転落する可能性があります。バイクでも曲がりきれずに転落ということも・・・。何カ所か引き返せる場所があるので、走り始めて無理だと思ったら迷わず引き返すことをお勧めします。どうしてもという場合は、複数名・複数台で行かれるのがよいでしょう。

 自転車の場合は体力・時間に余裕を持って計画を立ててください。龍神村小又川集落を過ぎると、奈良県吉野郡十津川村迫西川までの約20kmには民家はもちろん公衆電話・自販機などはないので、食料・飲料水は事前に購入しておきましょう。

 奈良県十津川村内は数kmおきに集落があるので気分的に楽ですが、和歌山県内は龍神村小又川集落以外に集落はなく、何かあってもすぐに助けが来てくれないような場所を走ります。そういう面では辛い区間となります。

■注意点

 紀伊半島の深い山中を走ります。大雨や台風の時は土砂崩れなどの自然災害が多発する国道で、過去何回か大規模な災害を被っています。悪天候時は走ってはいけません。道路通行規制が行われている時は必ず指示に従ってください。

 また街灯などはないうえ、ほとんどガードレールが設置されていないので、夜間走行は大変危険となります。夜間はもちろん日没間近には走らない方がよいでしょう。早朝も日の出以降に走ることをお勧めします。

 晩秋や早春は路面凍結・積雪があります。走行には要注意です。なお、田辺市龍神村小又川〜和歌山県奈良県・県境(牛廻越)の間は12月〜 翌年3月末まで冬期通行止めとなります。

●走行DATA

和歌山県田辺市龍神村

【終点→起点方向を走行】

>>走行日:平成22年(2010年)4月8日/他

注意>>この区間は、走行方向問わず何度か走行しています。走行日は使用写真の撮影日のみを記載しています。

【合併情報】

●平成17年(2005年)5月1日付けで、和歌山県日高郡龍神村、西牟婁郡中辺路町、西牟婁郡大塔村、東牟婁郡本宮町の2村2町と和歌山県田辺市が対等合併しました。

 このうち龍神村は『和歌山県田辺市龍神村』になりました。

■この項終わり

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