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国道265号線(2)

宮崎県小林市須木〜宮崎県児湯郡西米良村

R265番号付き標識

○国道265号線

 【宮崎県小林市須木〜宮崎県児湯郡西米良村】

【レポートは小林市須木→児湯郡西米良村方向(起点→終点方向)です。】

■小林市須木【田代八重】

 r144(県道槻木田代八重線)との交差点からは田代八重ダムによって出来たダム湖が見える。ここからのR265はしばらくダム湖沿いを走ることになる。1998年(平10年)3月の走行時は旧道を走るダンプの姿を見ている が、ダムが完成した今日では旧道はダム湖の底に沈んでしまった。

 r144との交差点を右折して狭い2車線幅の坂道を下ると今までの狭路とは一変し、整備された高規格2車線道路になる。田代八重ダム建設によって作られた付け替え道路である。輝嶺峠越え区間と尾股峠越え区間の間にあり、南北どちらからやって来ても一息つける快走区間だ。

 交通量は皆無ともいえる2車線道をマイペースで走る。r144交差点から約2kmでr360(県道田代八重綾線)との交差点に至る。この交差点を過ぎると田代八重大橋でダム湖を渡ってダム湖北岸に移る。引き続き平坦な2車線道が続くが、それも長くは続かず、r360交差点から900mほどで終わり、再び狭路の3ケタ国道に戻ることになる。

1.ダム湖沿いは快適な整備された2車線道と

  なる。

2.r360交差点。右に向かうと綾町に向かう。

  その先にあるのが田代八重大橋。

3.2車線道が続く。目白橋からは廃道となったR

  265旧道を見ることが出来る。

<<写真はすべて2008年5月撮影>>

■小林市須木〜児湯郡西米良村

 狭路国道に戻ったR265は尾股川に沿って谷間を進む。平坦な1車線狭路を少し進むと児湯郡西米良村に入る。狭路区間に入ると路面状態は悪くなる。ダム湖沿いの快走区間を走った後だけに荒れているように感じる。西米良村に入ってすぐの辺りは平坦な狭路区間が続くが見通しの悪い状態が続く。断崖下を通る区間もあり落石が転がっていたりするので、バイクの場合は対向車と路面状態にも注意を払わないとならない。

 尾股川沿いの谷間を進むが、この付近も災害に見舞われたことがあるようで、ダラリと谷底に向かってぶら下がったガードレールが放置されていたりする。そういう場所を見ると急いで通り過ぎたくなる。3ケタ国道らしい光景ともいえるのだが・・・。

 しばらくの間は尾股川から離れた場所を進むが、2kmほど進むと尾股川の右岸を進むようになる。すぐ横にきれいな水が流れる川を見ながら進むが、一部にはガードレールがない所もあり油断は禁物。平坦な狭路でも見通しの悪い区間が続くので対向車には注意が必要だ。

 西米良村に入ってから4kmほど進むと川を挟んだ対岸に廃校となった小学校が見える。山里の小学校らしい木造校舎が残っていた。そこから少し荒れた狭路を進むと尾股集落に至る。数軒の民家があるのだが、人が住んでいるのかどうかは分からない。どうであれ尾股峠南側にある集落はここが最後となる。この先民家が現れるのは峠を越えた西米良村板谷の上板谷地区となる。

4.快走2車線区間が終わり、狭路区間に戻る。

  黄色い距離標は「40」と書いてある。

5.狭路区間に入るとガードレールのない場所が

  あった。道路状態の落差に驚く。

6.やがて小林市と西米良村の境に到着。簡易ゲ

  ートがある。

7.境を尾股峠側から見る。地自体名は『小林

  市』になっている。

8.薄暗い所では路面中央にコケが生えている。

  悪路らしくなってきた。標識Noは「21」。

9.見通しの悪い狭路が続く。ご覧のような場所も

  ある。

10.断崖下を走る区間もある。ここの谷側にガー

  ドレールが垂れ下がっていた。

11.川沿いに進むようになるが、ガードレールの

  ない場所もある。(R219→R221方向を撮影)

12.元小学校を過ぎると集落に至る。西米良村に

  入ってからは標識にNoが残っている。「23」。

<<写真はすべて2008年5月撮影>>

■児湯郡西米良村【尾股】

 西米良村尾股の集落を過ぎると変化が現れる。突然道が広がってセンターラインのある整備された2車線道になるのだ。山中の狭路国道によく見られる光景だが、R265もその例にもれず、1kmほどで2車線道は終わって元の狭路に戻る。

 再び谷間を行く見通しの悪い1車線狭路を淡々と進んで行く。落ち葉が積もり、コケが生えている悪路であることは変わりがない。そんな道を2kmほど進むと道は急坂になる。急カーブの途中で橋で川を渡り、川を挟んで左下に来た道を見ることになる。

しばらく併走していた尾股川とはここで別れ、この先は狭路急坂が連続する峠区間に入ることになる。

 尾股川から離れたR265は峠を目指して谷間から駆け上る。やたらと新しいヘアピンカーブを過ぎて1.5kmほど進むと路肩の広い場所に出た。この場所にも鉄パイプで作られた第2の簡易ゲートがあった。悪天候時に閉鎖するためのゲートで、同じ物が市村境にもあったが、ここが峠南側の最終ゲートということになる。市村境から約10kmの地点。通行止時の折り返しを考慮して広い場所に設置されたのだろう。この先から本格的な尾股峠越え区間に入ることになる。

13.突然現れる快走2車線道。1kmほどで終わ

  る。(R219→R221方向を撮影)

14.再び谷間を行く狭路に戻る。標識Noは「24」

  だった。

15.この付近で川を渡り峠を目指す。左下にさっき

  走ってきた道が見える。

16.写真15の次の急カーブ。ここだけ新しい。

  災害復旧場所のようだ。

17.道はほとんどこんな状態。見通しの悪い道を

  進む。標識Noは「25」。

18.路肩の広い場所に簡易ゲートがあった。通行

  止時はここで引き返すことになる。

<<写真はすべて2008年5月撮影>>

■児湯郡西米良村【尾股〜尾股峠】

 ゲートまではまだ尾股川が見えていたのだが、第2ゲートを過ぎると急勾配の狭路が続くようになり谷から離れて山腹を上って行くようになる。しかし視界は開けず鬱蒼とした山中を進む。相変わらず見通しの悪い狭路が続く。路面状態は悪化し始め、落石や小石・砂利が散らばる場所が目立つようになった。バイクだと路面に転がる石などに気をつけないと転倒する恐れがある。

対向車よりも路面状態に気を遣う。途中には縁石だけでガードレールのない場所もあり、谷側に寄りすぎるとヒヤリとする場所もあったりする。九州の3ケタ国道代表らしい悪路っぷりだ。

 第2ゲートを過ぎて3kmほど悪狭路の急坂を上り続けると、突然明るい場所に出た。道路は1車線ながら真新しい。この場所の谷側にだけ木々がない。谷を覗くと下の方になぎ倒された木々が横たわっている。そして山側には真新しいコンクリートの法面があった。大規模な地滑り現場だ。2000年(平12年)頃に大規模な地滑りが発生して長期通行止になったように記憶しているが、その時の現場であろう。

 復旧現場を過ぎると再び鬱蒼とした薄暗い山中を通る狭路となり100mほど進むと尾股峠に到着した。市村境から約12km、小林市本町のR221交差点(起点)から約52kmである。

19.第2ゲートを過ぎると路面状態はさらに悪くな

  る。小石や砂利が散らばる坂道を上る。

20.相変わらず見通しの悪い悪路が続く。写真の

  R265標識Noは「26」。

21.途中には縁石だけでガードレールのない箇所

  もある。

22.新しい道路と新しいコンクリで固められた斜

 面となっていた。(R219→R221方向を撮影)

23.写真22の地点を過ぎると再び見通しの悪い

  狭路に戻る。

24.ここが尾股峠。峠からの展望はない。

  (R219→R221方向を撮影)

<<写真はすべて2008年5月撮影>>

■児湯郡西米良村【尾股峠〜板谷】

 尾股峠を越えて北側に入る。峠から北側も狭路の急勾配が続き、相変わらず見通しの悪い道が続く。落ち葉が積もり、小石や砂利が散らばるなど路面状態は悪い。峠南側よりは状態がまだマシな程度で、悪狭路状態には変わりはない。また路面に転がる小石なども多いので、バイクだと路面状態と対向車に注意して走らないとならない。結構気を遣う。

 急カーブをいくつかクリアしながら鬱蒼とした深い山中を淡々と走る。尾股峠から5kmほど狭路坂道を下ると川が見えてくる。そして途中に橋のある急カーブを曲がると、整備された2車線道となった。尾股峠越えの狭路区間はここで終わり、R265最大の難所をクリアした。

25.峠を越えてからも狭路の急坂が続く。急カー

  ブも多い。

26.国道標識がなければ舗装林道といわれても

  信じてしまう。標識Noは「27」。

27.峠南側よりも路面状態はマシだが、あちこちに

  補修の跡があった。

28.所々に砂利が浮いていたり、小石が転がっ

  ていたりする。路面に注意。

29.見通しの悪い狭路が続く。カーブではミラーを

  必ず確認するように・・・。標識Noは「29」。

30.峠から約5kmで谷に下りてきた。悪路区間が

  終わる。(R219→R221方向を撮影)

<<写真はすべて2008年5月撮影>>

■児湯郡西米良村【板谷】

 谷間に下りてくると狭路から2車線道に変わる。この付近はやたらと新しい道路になっていた。計画されている尾股トンネルの北側はこの付近にできるのだろうか。

 R265は谷間をしばらく走るが、やがて鶴瀬谷川沿いに進むようになる。少し勾配があるものの概ね平坦な2車線道なので走りやすい。尾股峠を走った後であれば”整備された道”の有り難さをしみじみと感じることが出来る。やがて西米良村板谷の上板谷の集落が見えてきた。尾股峠南側の西米良村尾股地区以来の集落だ。やっと人里に下りてきたと実感できる。

 ここからは川幅の広がった鶴瀬谷川に沿って淡々と走る。整備され見通しの良い2車線道だ。そして狭路区間の終わりから約5kmでR219との交差点に到着。輝嶺峠・尾股峠を越える長い悪路区間がようやく終わった。尾股峠から約10km、小林市・西米良村境から約22km、小林市のR221交差点(起点)からだと約62kmである。

31.谷に下りると新しい2車線道路となる。狭路

  区間を走った後だと緊張から解放される。

32.西米良村板谷の上板谷地区の集落。ひさび

  さの人家だ。

33.鶴瀬谷川に沿う2車線道を走る。概ね平坦な

  道が続く。標識Noは「31」。

34.写真33の反対側の標識。狭路区間と同じ国

  道とは思えない。

35.R219交差点近くには警告標識がある。3ケタ

  国道らしい光景。(R219→R221方向を撮影)

36.R219との交差点に到着。長い悪路区間が終

  わる。R265はここを右折して村所に向かう。

<<写真はすべて2008年5月撮影>>

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 輝嶺峠〜尾股峠区間を走るのは1998年(平10年)3月以来、実に10年ぶり2回目でしたが、道路状態はほとんど変わっていません。

 小林市須木〜児湯郡西米良村板谷の間は大きな峠を2つ連続して越える区間で、その北側となる尾股峠区間はR265最大の難所となっています。峠越えの悪路区間の前後に整備された2車線道があるなど、峠を越える典型的な狭路3ケタ国道のパターンも示していて、知らずにやってきた人を恐怖のどん底に陥れるトラップを備えています。車同士のすれ違いが難しい、見通しの悪い狭路坂道が続く区間だと覚悟して走ってください。西米良村の尾股峠区間は『紅葉街道』という名称が付けられていますが、紅葉を見ながらのんびり走ることは難しいと思われます。

 台風などが直撃すると大雨が降りやすい九州山地の南東側の深い山中を通るため、R265尾股峠区間は災害多発区間にもなっています。所々に真新しい道路や法面があることがそれを物語っています。そのため峠をトンネル(仮称:尾股トンネル)で貫くという計画がありますが、前後の道が整備された以外に建設する様子はなく当分は悪狭路のままとなりそうです。

 交通量はかなり少ない区間です。西米良村板谷地区では生活道路となっているので地元車や宅配トラックの通行がありますが、尾股峠区間の交通量はほとんどありません。2008年5月走行時、小林市須木田代八重〜児湯郡西米良村板谷の尾股峠区間ですれ違った車は0台でした。板谷地区の2車線道でやっと地元車と出会ったほどです。ですが、対向車がないとは限らないので十分に注意して走る必要があります。

 多くの場合は峠を下ると人家がありますが、輝嶺峠北側の小林市須木の田代八重地区にあったであろう集落はダム湖に沈んでいるので、輝嶺峠と尾股峠の間のR265沿いには西米良村尾股地区の集落しかありません。(田代八重地区もr144かr360沿いにあるとのことです。) ただ尾股地区の集落は住んでいる方がいるかどうか分からないので、確実に人が住んでいる集落は、輝嶺峠南側の小林市須木中原地区と尾股峠を越えた北側の西米良村板谷の上板谷地区の集落となります。峠区間では携帯電波はほとんど届かないので、何かあった場合の連絡手段確保は難しいと思いますので注意してください。

■ガソリンスタンド

 尾股峠区間にはGSはありません。小林市須木の町中にあるGSを過ぎると、輝嶺峠・尾股峠を越えてR219沿いの児湯郡西米良村村所までの約50kmの間にGSはありません。給油が必要な場合は必ずしておきましょう。

■アドバイス

 尾股峠区間は輝嶺峠よりも悪路度は上です。バイク・車の運転初心者の方は1人で走ってはいけません。必ず2人以上で走られることをお勧めします。輝嶺峠越えで無理だと思った方、尾股峠越えに挑んではいけません。 また大人しく引き返しましょう。南→北方向では第2ゲートまでで無理だと思ったら迷わず引き返しましょう。

 峠からの狭路区間が長いのは峠南側なので、北→南方向(R219→R221方向)で走る方が疲れます。1998年(平10年)に同方向で走った時は、須木村(当時)と西米良村との村境付近で疲れがピークに達しました。悪路走行を始めて間もない頃ということもあったのでしょうけど、見通しの悪い路面状態の悪い狭路下り坂というはかなり神経をすり減らしますのでご注意を。疲れたら広い場所などで適度に休憩をとることをお勧めします。

 長距離ツーリングに組み入れる場合、たいていは尾股峠も越える計画を立てられると思います。距離の割には時間がかかるので余裕を持って計画を立てて下さい。また 災害通行止めの可能性も考えて迂回路も検討しておいて下さい。

 急勾配の坂道が続くので、自転車の場合は時間と体力に余裕を持って走ってください。小林市須木の町を過ぎると、店や自販機や公衆電話などはありません。食料・飲料水などの購入は予めしておいた方が良いでしょう。なお輝嶺峠〜尾股峠区間には店や自販機はありませんので注意してください。

■注意点

 冬期は路面凍結・積雪がある峠ですので、冬期や大雨の降った後は役場にでも問い合わせてから走るようにして下さい 。悪天候時、夜間の走行は危険ですので走らないように。悪天候時の走行はやめた方が良いでしょう。

 交通量はかなり少ない峠道ですが、対向車には要注意です。カーブミラーは必ず確認しましょう。

●走行DATA

小林市須木〜児湯郡西米良村

【起点→終点方向を走行】

>>走行日:2008年5月9日

【終点→起点方向を走行】

>>走行日:1998年3月30日

【合併情報】

●2006年(平18年)3月20日付けで、宮崎県小林市と宮崎県西諸県郡須木村が対等合併しました。須木村は『小林市須木』になりました。

R265番号付き標識

 かつて宮崎県内のR265国道標識には番号が記してあり ました。小林市のR221交差点(本町交差点)に「No.0」の標識があり、北に進む(起点→終点方向)につれて数が増えて行き、国見トンネル近くの標識に「No.66」があったように記憶しています。どこまであったかは不明です。1998年(平10年)3月の走行時は北→南方向で走りましたが、進むにつれて数字が減って行くことで起点に近づいていると実感できました。

 ところが2002年(平14年)4月に小林市内を走ったところ、標識・地名標識が新しい物に付け替えられ番号はなくなっていました。2006年(平18年)3月の小林市と西諸県郡須木村の合併で旧須木村内の地名標識なども番号なしの物に付け替えられています。椎葉村内でも新しく交換された標識には番号はなくなっており、更新を期に番号付き標識は交換されることになっているようです。

 しかしながら児湯郡西米良村・東臼杵郡椎葉村内には番号付き標識が多数残っており、2008年(平20年)5月走行時も確認できました。ただこれから更新される場合は番号なしの標識に交換されることになるのでしょう。

1.小林市にあった「No.1」の標識。すぐ向こう

 に警告標識が見えます。当サイトのR265(1)小

 林市の写真5の地点近くでしょう。

 (R219→R221方向を撮影)

2.標識アップ写真は撮影しておらず、1の写真

  の標識部分のみトリミング。「1」と記されてい

  ます。本町交差点には起点には「0」と記され

  た標識がありました。

3.当時の西諸県郡須木村内のR265標識。当サ

  イトのR265(1)小林市須木の写真8の地点で撮

  影したと記憶しています。この付近で標識番号

  は「14」でした。

4.後述する椎葉村内の飯干峠のR265標識。

  この場所で番号は「47」でした。今もあるか

  どうかは不明。(R218→R219方向を撮影)

5.1998年に撮影した現在の小林市・西米良村

  の境。当時は須木村でした。今とほとんど変

  わっていません。木が成長したぐらいです。

6.境付近のR265。ガードレールが設置されたぐ

  らいで、道路状態は98年とほどんと変わってい

  ません。

<<写真はすべて1998年3月撮影>>

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