国道286号線

ROUTE286

起点:宮城県仙台市→終点:山形県山形市(57.9km)

●概況

 R286は仙台市と山形市を笹谷峠(ささやとうげ)経由で結ぶ3ケタ国道。笹谷峠区間が狭路・酷道区間で冬期閉鎖となるために、一般道での仙台・山形間はR48経由のルートがメインとなっている。

 2002年4月末まで、笹谷峠の宮城県側で起きた大規模な崩落の為に長期通行止めで、実質『分断国道』状態にあった。そのまま廃道になるという噂もあったが、現在では無事に復旧し全線走行可能な国道に戻っている。しかしながら笹谷峠区間は地質が脆いため、いつ何時崩落などで通行止めになるのか分からない区間である。

●DATA/走行日:2000年9月10日・2001年9月8日/走行方向:各項参照/レポート記述方向:各項参照

◆Update:2004年2月6日

国道286号線

宮城県仙台市〜宮城県柴田郡川崎町/宮城県柴田郡川崎町〜(笹谷峠)〜山形県山形市/山形県山形市

注意>>R286笹谷峠は復旧工事が完了し、2002年4月26日に全面開通しており、現在は通行可能となっています。走行当時は通行止めでした。

    R286レポートは、復旧前の2000年9月と01年9月に走行した時のDATAで書いてあります。

国道286号線

宮城県仙台市〜宮城県柴田郡川崎町

【レポートは宮城県仙台市→宮城県川崎町方向(起点→終点方向)です。】

宮城県仙台市〜宮城県柴田郡川崎町

 仙台市中心街からR4を南へ向かう。しばらく4車線区間が続くが、広瀬川に出会うと広い2車線道となって南東に向かう。仙台中心街を通るので交通量はめちゃくちゃ多い。JR東北本線と共に広瀬川を渡って1kmほど行くとR286が分岐する長岡3丁目交差点に到着する。

 仙台市太白区のJR長町駅近くでR4から単独分離したR286は、仙台市市街地を1.5kmほど走る。この区間は少し広い2車線道で、沿道には中小企業の工場や事務所が建ち並んでいる工場街という感じの所だ。R286の標識が見当たらないので一瞬市道を走っているような気になる。郵便局を過ぎると『←R286』と示された案内標識が現れ、とりあえずR286であることが分かる。矢印の示す道は片側3車線の立派な『秋保通り』。

 鹿野2丁目交差点から秋保通りに入ると、R286は片側3車線の大幹線国道となって西へ向かう。沿道にはいろんな店が並び仙台市郊外らしい街並みとなっている。交通量も非常に多い。仙台南部道路のIC手前で車線が減り片側2車線道路となるが、東北道へのメインルートとして車・トラックの通行量は多い。建設中の仙台南部道路延長区間の下を走るが、やや渋滞気味であった。

 東北道仙台南ICを過ぎると交通量は減ってペースも上がり始める。道幅は片側2車線の4車線区間。東北道を過ぎた辺りから宅地や田圃・農家が現れ始める。秋保温泉へ向かう県道が分岐する交差点を過ぎると、車線は片側1車線の2車線道となる。ここからR286は田圃中を走るローカル国道となり、徐々に東北国道の表情を見せ始める。

 仙台市から川崎町に入ると、徐々に山中に入って行く。2車線ワインディング区間に入るが路面は舗装されているので問題なく走ることが出来る。碁石川に沿って勾配のある上り坂を上り切ると釜房湖というダム湖が現れる。R286は釜房大橋でダム湖を渡って2kmほど湖沿いを快走する。この付近は整備された2車線道なのだが、恐らくダム建設により作られた代替道路なのだろう。

1.この先の交差点でR286が分岐する。

  案内板には『山形』と記載されている。

2.R286秋保通り区間。片側3車線の大幹線

  道路。都市近郊という感じ。

3.道はやがて2車線道となり、山中へ向かって行

  く。

宮城県柴田郡川崎町

 ダム湖から3kmほどでR457が合流する。この先約5kmはR286・R457重複区間になる。山形自動車道宮城川崎IC前で右折すると、R286(とR457)は峠に向かって西へ向きを変える。R457が単独分離すると、R286は2車線国道のまま徐々に山中へ入って行く。沿道にあるのは田圃と農家だけ。昔の雰囲気を残す集落を幾つか繋ぎながら進む。川崎町名乗地区を過ぎると民家や農家はなくなり、山形自動車道を併走しながら山中に向かって淡々と2車線道を進む。

 宮城川崎ICから峠側は2車線ローカル国道区間なのだが、それにしては交通量が多い。仙台から山形へ向かう車・トラックが笹谷ICまでR286を走るためのようだ。笹谷ICから笹谷TNを越して関沢ICで下りて山形に向かうのだろう。このルートの方がR48経由より早いのかも知れない。山形→仙台方面の通行量も結構あった。

 川崎町笹谷地区に到着する。集落をパスするBPを走ると、左側から山形自動車道が寄って来た。笹谷ICが現れる。ほとんどの車はここから山形自動車道へ入って行く。

 R286はここから笹谷峠を越える区間に入るのだが、2000年9月の時点では、ここから先は道路決壊により通行止めとなっていた。道にはゲートが設置されていたのだが、2002年4月末に復旧工事が終了。現在は通行可能となっており、自転車・原付(1種・2種)とも迂回することなく山形県へ向かうことが出来る。

4.ダム湖沿いの快走区間を走り切る。この先の

  交差点でR457と合流する。

5.宮城川崎IC近くの電光掲示板。『286号笹

  谷峠崩土 全面通行止』と表示されていた。

6.R286とR457の重複区間を行く。この付近は

  約3kmの直線区間。松並木が続いている。

7.川崎町名乗のR286。このすぐ左側を山形自

  動車道が走っているのだが、写真を見ただけ

  では分からない。

8.笹谷IC前にあった案内標識。左が『←笹谷

  峠』と標されている。中央は大型車通行不可

  という内容の警告標識。

9.以前は、ICのすぐ先で通行止めとなっていた

  が、2002年4月末に復旧し通行止めは解除

  された。(2000年9月撮影)

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 宮城県内のR286は全区間整備されており快適に走ることが出来ます。休日は行楽客の車が増えますが、秋保温泉付近までは道幅も広いので流れは良いように思われます。

 2車線区間は一部ワインディングがあり大型車が走ると渋滞しがちですが、普通車だけなら流れは良いので順調に走ることが出来ます。ただ釜房ダムではダムに入る車がいきなり停まったりするので、ダム湖周辺の運転は注意が必要です。

 R286は、山形道の宮城川崎IC〜笹谷IC間を山形自動車道と併走します。通行料金を安く上げるためか、車・トラックはR286を走るようです。そのために交通量が多いのですが、信号がほとんどないため流れは良く順調に走れます。対向車が多いので無理な追い越しはしない方がいいでしょう。

■ガソリンスタンド

 大きな町中にはGSがあります。なお、宮城県川崎町のR286・R457分岐交差点付近にあるGSが、笹谷峠方面最後のGSとなりますので注意して下さい。

■注意点

  晩秋〜早春は、路面凍結・積雪のある区間なので運転に注意して下さい。

●走行DATA

宮城県仙台市〜宮城県柴田郡川崎町【起点→終点方向を走行】

>>走行日:2000年9月10日

○国道274号線

  宮城県柴田郡川崎町〜(笹谷峠)〜山形県山形市

山形自動車道笹谷TN

【レポートは宮城県川崎町→山形県山形市方向(起点→終点方向)です。】

 2001年(平13年)9月時点においては、宮城県と山形県の県境にある笹谷(ささや)峠は復旧しておらず通行止めになっていた。宮城県側からは上ることは出来ないが、山形県側からであれば県境付近まで上ることができるとのことなので、山形県側から笹谷峠まで走ってみることにした。

 R286笹谷峠区間のBPとなっている山形自動車道笹谷TNに入る。笹谷TNは1981年(昭56年)に開通したTNで、当初から有料道路(有料TN)であった。その後、山形自動車道が開通したこと現在では自動車道の一部となっている。もとから高速道路用に建設された高規格のTNなので非常に走りやすい。走行当時(2001年)は対向2車線となっていたが、2002年5月中頃に現TNの横に新笹谷TNが完成。笹谷TNの改修工事を行った後、2002年11月下旬より4車線化されている。笹谷TNが上り線(山形方面行き)、新笹谷TNが下り線(村田JCT方面行き)となった。

 全長約3400mの笹谷TNを抜けると山形県山形市に入る。TNを過ぎると山形県内最初のICである関沢ICに到着。ここで山形自動車道から下りる。ICの料金所を抜けるとT字交差点に出る。R286との交差点で、左に曲がれば山形市街へ。右に曲がれば峠へ向かう。

 大型貨物トラックやトレーラ、会社の営業車などの姿が目立つ。そのほとんどがICを左に曲がって山形市街へと向かう。逆に山形市街から来る車・トラックのほとんどはICから山形道へ進んで行く。明らかに笹谷TNのみ高速を利用していることが伺える。

山形県山形市【山形県山形市関沢〜笹谷峠】

【レポートは山形県山形市→宮城県川崎町方向(終点→起点方向)です。】

 関沢IC前の交差点を右に曲がり、R286笹谷峠方面に向かう。2001年9月の時点では笹谷峠はまだ通行止めだった。IC近くにゲートは設置されておらず峠まで進入可能となっていたが、『宮城県側通行止め(峠まで通行可)』との看板が立っていた。撮影していると、R286で峠を越えようとIC前を通過した車がこの看板を見て引き返していた。峠へ向かうのは、登山に向かう人の車と工事関係のトラックのみである。

 峠に向かって走り始める。IC前からは勾配のあるセンターラインがない2車線の坂道が続く。1kmほど進むと、道幅は1.5車線幅の狭路となって深い山中へと入って行き、少し急な勾配となる。深い山中を走るために薄暗くどことなく寂しい感じがする峠道となった。

 最初のヘアピンカーブを曲がると直線の緩やかな上り坂になるが、ふと右側(山側)を見上げると、これから走る道のガードレールが3段ほど重なって見える。ほどなくして2つ目のヘアピンカーブ。180度に近いターンをすると、先ほど走った道が右下に見える。ここから先はこんなカーブをいくつも曲がることになる。

 数えてみたのだが、最初のヘアピンカーブを含めて、峠までになんと19箇所ものヘアピンカーブを曲がらなくてはならない。そのほとんどが180度近いターンをし、しかもカーブ自体が急勾配の坂道となっているのだ。

 峠の中腹まで来ると森を抜けて周囲は明るくなる。見通しの悪いカーブが続くが、ヘアピンカーブを除いて急勾配はなく、緩やかな坂道が続く。道幅は1.5〜狭い2車線幅。路面は荒れておらず走りやすい。宮城県側は通行止めでも、山形県内は登山者の車が走るので整備されているようだ。中腹でR286おにぎり標識があった。峠までの間にあった唯一のR286の証である。

 山の頂上が見えて来ると峠は近い。最後のヘアピンカーブを曲がると左側に登山者用の駐車場が現れる。その入り口付近には斎藤茂吉の歌碑があった。駐車場入口から少し進むと山形県・宮城県の県境に到着する。笹谷峠である。そこから20mほど先には頑丈な鍵で厳重に閉鎖された鉄柵ゲートがあり、そこから先は工事関係車のみ進入可能となっていた。関沢ICから笹谷峠県境まで約6kmであった。

 2001年9月の時、笹谷峠の宮城県側の区間は一般車全面通行止めになっていた。進むことが出来ないので、ここで引き返した。なお、笹谷峠の宮城県側は2002年4月末に復旧工事が終了。現在は通行可能となっている。

1.関沢IC前。写真右奥がR286笹谷峠方面。

  写真左側がR286山形市街方面。道の向こう

  が山形自動車道。

2.IC前を右折するとこういう通行止めを知らせる

  看板があった。

  (2001年9月撮影)

3.狭路区間に入るとしばらくは薄暗い山中を進ん

  で行く。道はこの先でヘアピンカーブとなってお

  り右上に進む。

4.やがて周囲は明るくなる。ヘアピンカーブを除

  いては緩やかな坂道が続く。

  路面状態はかなり良好である。

5.途中にあったR286おにぎり標識。山形県→

  宮城県方向のみにあった。見かけた標識はこ

  こだけだった。

6.笹谷峠に到着。当時は頑丈なゲートが設置さ

  れており、宮城県側へは進入不可能となって

  いた。(2001年9月撮影)

<<MEMO>>

■概況

 R286笹谷峠は、宮城県内の区間で大規模な地滑り(山崩れ)により道路が決壊(消失)し、R286笹谷峠の宮城県側(笹谷IC前〜笹谷峠県境:約6.8km)は、1994年(平6年)9月頃(?)より全面通行止めになっていました。そのためR286は笹谷峠で分断されていました。(写真は山形県側ゲートの告知看板。2000年9月撮影)

 迂回路は山形自動車道笹谷TNとなっていました。自動車専用道なので、徒歩・自転車ならびに原付(1種・2種とも)で、R286で宮城県・山形県間を行き来することは出来ず、北側の二口峠も通行止めだ

ったのでr12刈田峠かR48に迂回しなくてはなりませんでした。

 永らく通行止めが続きましたが、2002年4月26日に復旧工事が終了し全面開通しました。現在、異常気象時と冬期以外の通行止め規制は解除されており、迂回することなしに宮城県〜山形県間を行き来することができます。

 ただ、峠付近の地質がもろいために、大雨が降った後は崖崩れが起きる可能性は残っています。道路崩壊によって再び通行止めになる可能性もあります。走る前には必ず情報収集してから訪れるべきでしょう。大雨の時や雨の後数日間は走らない方が良いかも知れません。

■アドバイス

 山形県内のR286は狭路区間ですが整備されています。休日や登山シーズンは登山客の車が結構走るようです。対向車には注意して下さい。

 R286笹谷峠の山形県内はヘアピンカーブが連続します。私が走った時に数えたのですが、ヘアピンカーブは全部で19箇所ありました。急勾配のヘアピンカーブで、対向車は全く見えません。カーブを曲がる際は対向車に注意して下さい。

■注意点

 R286の関沢IC〜笹谷峠県境〜笹谷IC間は、12月〜翌年4月末まで冬期全面通行止めとなります。10月上旬ぐらいからは夜間路面凍結があるかも知れないので、走行には注意して下さい。

●走行DATA

宮城県柴田郡川崎町〜(笹谷峠)〜山形県山形市【往復】

*山形県内の関沢IC前〜笹谷峠県境を走行。宮城県側は未走行です。

>>走行日:2001年9月9月8日

○国道286号線山形県山形市

【レポートは山県市関沢→山形市街方向(起点→終点方向)です。】

山県市関沢〜山形市街

 山形自動車道関沢IC前から山形市街方面へ向かう。ここからは道幅は2車線となる。山形自動車道をくぐって山形道の北側を進む。すでに山形市内を走ってるのだが、山中を通るために沿道に民家はほとんどない。2車線道をしばらく走ると山形市新山地区の町へ入る。笹谷峠を挟んで宮城県川崎町笹谷地区の集落以来の集落だ。

 再び山形道をくぐって南側を走るようになると、周囲は開けて民家や畑が増えてくる。関沢ICから約9km進むと、山形蔵王ICに到着。R286はここから片側2車線の4車線道となる。山形蔵王ICからは、山形市市街地に入って行く。車・トラックの通行も多くなり、ローカル国道から都市国道へと変化する。

 山形蔵王IC前から2.5kmほど走るとR13山形BPとの松山交差点に到着。R286はもう少し進む。山形市街地をさらに2kmほど進むと、旧R13であるR112鉄砲町交差点に到着する。R286の終点である。関沢IC前より約13kmであった。

1.関沢IC前からは整備された2車線国道とな

  る。向こうの高架道路が山形道。

2.淡々と山中を進む。新山地区まで来ると、久

  々の集落に出る。

3.山形市街へ進むにつれて徐々に建物も増えて

  行く。

 

4.山形蔵王IC前からは山形市街へと入る。

  片側2車線の4車線国道となる。

5.この先の交差点が終点の鉄砲町交差点。

  走行時は工事中だった。

 

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 山形県内の関沢IC〜山形市街のR286は全区間整備されており快適に走ることが出来ます。2車線区間は整備されておりカーブも少なく走りやすい道です。

 R286は山形道の関沢IC〜山形蔵王IC間を山形自動車道と併走します。通行料金を安く上げるためか、車・トラックはR286を走るようです。そのため交通量は多く、特にトラックの通行が目立ちます。信号がほとんどないため流れは良く順調に走れます。対向車が多いので無理な追い越しはしない方がいいでしょう。

 山形市街は乗用車の通行量が多い街中を走る区間です。

■ガソリンスタンド

 山形市内のGSは、山形市滑川地区にあるGSが最後となります。ここから先、笹谷峠を越えて宮城県川崎町のR457分岐交差点付近まではGSはありません。峠越えを目指す方はガソリン残量を確認して下さい。

 山形蔵王IC前付近〜山形市街にはGSはいくつもあります。

■アドバイス

 大型車の通行が多いので、自転車の場合は目立つ格好で走った方がよいでしょう。

■注意点

 晩秋〜早春は、路面凍結・積雪のある区間なので運転に注意して下さい。

●走行DATA

山形県山形市(山形市関沢〜山形市街)【起点→終点方向を走行】

>>走行日:2001年9月8日

【国道286号線終わり】

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