国道388号線

ROUTE388

起点:大分県佐伯市→終点:熊本県球磨郡湯前町(237.1km)

 国道388号線は大分県佐伯市と熊本県湯前町を結ぶ全長約240kmの3ケタ国道。九州を北東→南西に向かって斜めに横切るようなルートを通る。海岸線に沿ってウネウネと走る区間があるかと思えば、険しい山中をウネウネと曲がりながら進む区間もあり、かなり変化に富んだ道筋を体験することができる。

 誕生は1975年(昭50年)4月。当初は大分県佐伯市〜宮崎県延岡市を結ぶ国道だったが、1993年(平5年)4月に区間が延長されて現在の形になった。大分県佐伯市〜宮崎県延岡市の間は改良・整備が進んでいるが、後年に国道となった区間は改良・整備はあまり進んでおらず、特に椎葉村内の大河内越え区間は九州有数の酷道区間となっている。

走行日:2002年4月8日・4月9日

走行方向:起点→終点

レポート:起点→終点方向

国道388号線 その3

宮崎県東臼杵郡南郷村〜宮崎県東臼杵郡椎葉村

国道388号線

【宮崎県東臼杵郡南郷村〜宮崎県東臼杵郡椎葉村】

宮崎県東臼杵郡南郷村

 R446との交差点を右折すると、R388は小丸川を左側に見ながら整備された快適な2車線道となって西に向かう。

平坦な道で山間の農村を繋ぎながら淡々と進んで行く。R446との交差点から約5kmで南郷村神門(みかど)の町中に到着する。村役場のある村の中心地で、南郷温泉という温泉もある。この町中にあるGSは、大河内越南郷村側最後のGSとなる。この先は実質的に熊本県水上村までGSはないので、ガソリンチェックと給油はしておいた方が良い。

 神門の町中を抜けると、R388は小丸川に沿って進んで行く。蛇行する川に沿って進のだが、道は改良・整備されているので適度なカーブとなっているので走りやすい。山間の農村地帯を抜ける平坦な2車線道を淡々と進んで行く。進むにつれて徐々に山が迫って来る。

 神門から7kmほど進んだ南郷村鬼神野(きじの)地区からは、1.5車線道となり未整備区間に入る。進むにつれて徐々に谷間を走るようになり、南郷村吐地区からは1車線道となって小丸川に沿って進む。平坦な狭路なのでまだ走り安いのだが、見通しの悪いカーブがあるので対向車には気を使う。

 南郷村阿切地区まで来ると完全に谷間を進むようになる。最後の集落を抜けると、周りには何もなくなり人工物は道路だけとなる。神門の町中から13kmほど進と急勾配の坂道となる。ここからは狭路の山道を延々と走ることになる。

 神門の町中から約14km、R446との交差点から約19kmで宮崎県椎葉村との村境に到着した。ここから「九州の秘境・椎葉村」に入って行く。

1.小丸川沿いに平坦な2車線道を進んで行

  く。

2.南郷村神門の町中に到着。町中にあるG

  Sは峠前最後のGSとなる。

3.町中を抜けると田畑の中を進むローカル国

  道となる。徐々に山間へ入る。

4.やがて「大型車通行止め」の標識が。この

  付近から3ケタ酷道区間に入る。

5.山中に入り、平坦な1〜1.5車線の狭路

  を進んで行く。

6.所々1車線幅の区間も現れる。

  (椎葉村→南郷村方向を撮影)

宮崎県東臼杵郡椎葉村

【村境〜大河内越】

 宮崎県椎葉村に入る。周囲は見渡す限り山しかなく、人工物は道路と電柱・電線ぐらいだろう。椎葉村に入ってからも小丸川に沿う狭路を進んで行く。所々拡幅されており1〜1.5車線道が断続するが、見通しの悪い小刻みなカーブが続く。村境から2kmほど進むと椎葉村尾崎の集落に到着する。大河内越東側の最後の集落となる。

 集落を抜けて1kmほど進むと、道は1車線幅の急勾配・急カーブが連続する山道となる。しばらく急勾配の1車線狭路を進むが、3kmほどで1.5〜狭い2車線幅となる。勾配も少し緩くなり、カーブ部分は改修されて2車線ぐらいの幅が目立つようになる。しかし、そのような状態も1kmほどで終わり、再び1〜1.5車線道が断続する、急勾配・急カーブの山岳狭路に戻ってしまう。路面には落石が転がり、舗装もはがれている箇所も目立つようになり荒れ始めていた。

 急カーブを曲がると、谷側に先ほど走ってきた道を見下ろして進んで行く。村境から9kmほど進んだだけなのだが、かなりの高さまで上り、かなりの距離を走ったように感じてしまうが、峠はまだ先である。

 村境から10kmほど進んだ付近で、急勾配のヘアピンカーブが現れる。いわゆる「葛折り」だ。この先は1〜1.5車線幅の狭路が続き、7〜8箇所ほどの急勾配のヘアピンカーブが連続して現れる。見通しはかなり悪いので気を抜くことは出来ない。カーブを曲がる度に「このカーブを曲がれば、その先は峠だ」と思うのだが、なかなか峠は現れてくれない。あとで分かったことなのだが、この「葛折り」区間は距離にしては2kmほどでだったのだが、実際に走るとそれ以上に長く感じてしまった。

 やがて道は(それまでに比べると)緩やかな勾配の狭路となり、ようやく標高1120mの大河内越え(大河内峠)に到着した。南郷村神門の町中から約27km、村境から約13kmである。 

7.椎葉村に入り山中を進んで行く。峠まで

  の道のりはまだまだ長い。

8.1車線幅の山中狭路を進んで行く。

  (椎葉村→南郷村方向を撮影)

9.所々に狭い2車線幅の箇所も現れる。周

  囲は深い山中で、大変寂しい。

10.急勾配・急カーブの山岳狭路を進む。

  1〜1.5車線狭路が断続する。周囲は

  深い山中だ。

11.峠近くのR388標識。「大河内峠」と記さ

  れている。

  (椎葉村→南郷村方向を撮影)

12.ようやく大河内越え(大河内峠)に到着

  する。峠付近は九州大学の演習林だった。

  (椎葉村→南郷村方向を撮影)

宮崎県東臼杵郡椎葉村

【大河内越〜椎葉村平】

 峠一体は九州大学の演習林となっている。R388は演習林を突っ切ることになる。峠を越えて西側に出ると、急勾配の坂道となる。道幅は1.5車線ほどに広がるので峠東側よりは若干走りやすい。峠から約4kmで大河内桑ノ木原林道が分岐する。ここから椎葉村上椎葉ダム近くに抜ける林道だ。

 この付近からは一ノ瀬川の源流の一つであるヒラ谷沿いに進むことになる。道は一部に1車線道があるが、1.5〜狭い2車線道が断続する。道は勾配のある坂道が続くが急カーブは少ないので、峠西側に比べると走りやすい狭路が続く。やがて平坦な道なり谷間の狭路を淡々と進む。大河内越から5kmほど進むと椎葉村平地区の集落に入る。久々の民家を見るとホッとする。集落に入ると平坦な1.5車線道となり、2kmほどでR265との交差点に到着した。

 大河内越(大河内峠)から約11km、南郷村のR446との交差点から約43kmである。

13.峠を越えると狭路の山道を下って行く。

  (椎葉村→南郷村方向を撮影)

14.R388は谷間を進んで行くようになる。

  (椎葉村→南郷村方向を撮影)

15.平坦な1車線狭路が続くようになる。谷間

  を進むローカル国道を延々と進んで行く。

 

16.この先がR265との合流交差点。案内

  標識にはR265とR388のみ表示。

17.長い長い大河内越えがやっと終わる。

  R388はこの先の交差点を右に向かう。

 

☆★☆ 国道388号線 【宮崎県東臼杵郡南郷村〜宮崎県東臼杵郡椎葉村】 ☆★☆

■沿革

 この区間を含む宮崎県南郷村〜宮崎県椎葉村〜熊本県湯前町は、昔はR446単独国道だった区間です。1982年(昭57年)4月にR446が宮崎県日向市〜宮崎県南郷村〜熊本県湯前町の国道として誕生。大河内越えはR446で越えていました。

 ところが1993年(平5年)4月に、R388が宮崎県延岡市から宮崎県南郷村経由で熊本県湯前町まで延長。宮崎県南郷村からはR388とR446が重複することになりました。その結果、番号では格下となるR446は脇役に回され、今では表示される国道番号はR388だけとなっています。

 重複区間にはR446単独国道時代の面影はほとんど(全く?)なく、唯一、椎葉村尾崎の集落内に『R446』と記された小さい案内標識が1枚だけ残っているだけでした。かつてはR446の国道標識が大河内越にあったのかも知れません。

■概況・交通量など

 宮崎県南郷村からはR446との重複区間となります。

 この区間は、大河内越(大河内峠)を越えるR388最大の難所であり、また最大(最悪?)の酷道区間です。南郷村内は1.5〜2車線道で、2車線道区間は整備されており快適に走ることの出来るローカル国道区間ですが、椎葉村に入ると1〜1.5車線道の急勾配・急カーブが続くローカル酷道になります。

 交通量は少なく、対向車と出会うことの方が珍しいかも知れません。かなり少ないようですが走る車はありますので対向車には注意して下さい。

 2002年4月に走った時、峠西側の山中で峠を越えてきたであろう郵便局の郵政カブとすれ違った時は驚きましたね。配達員はカブで週何回か峠を越えているようです。この道を一番熟知しているのは郵便局の配達員の方でしょう。

■ガソリンスタンド

 南郷村神門の町中にあるGSが峠西側の最終GSとなります。この先、椎葉村内の大河内越区間にはGSはありません。椎葉村平地区にはGSが2軒あると地図には記載されていましたが、2002年4月に走った時はGSは見かけませんでした。集落内にある小さなGSか、もしかしたら廃業したかも知れません。 南郷村神門のGSが最終と見なすべきでしょう。必ずガソリンのチェックと給油はして下さい。

 もしかしたら南郷村神門〜椎葉村平〜熊本県水上村湯前の間にGSはないかも知れません。

■アドバイス

 標高1120mの大河内越を越えるのはかなり大変で、約40kmの峠道をクリアするのにバイクで2時間ほどかかりました。長距離ツーリングのルートに組み入れる場合は、時間に余裕をもたせましょう。距離の割には時間はめちゃくちゃかかります。峠までが大変長いので気力・体力を十分に養ってアタックして下さい。南郷村神門には温泉があるので助かります。

 バイクの場合、中型バイクや大型バイクではかなり取り回しが疲れます。荷物満載のZRX1100で走りましたが、かなり疲れました。小回りの効くオフロードバイクが一番適しています。

 バイク・車の運転初心者の方は、一人では絶対に走らないで下さい。最低2人(2台)以上で走ることをお勧めします。半端な3ケタ酷道ではありません。

 自転車ではかなりハードな峠越えとなります。峠を越える間には自販機はありません。飲料水・食料はあらかじめ購入しておきましょう。下りではブレーキワイヤーが切れるかも知れないので注意して下さい。体力・時間は余裕が必要です。

■注意点

 大雨・台風接近時は土砂崩れなどが起こりやすいので走ってはいけません。通行規制が行われます。大雨の後は、必ず道路情報を確認して下さい。

 冬期は路面凍結・積雪があります。全面通行止め規制はありませんが、一時的な通行規制は行われると思われるので、規制には従いましょう。

 ちなみに大河内越区間内には公衆電話はありません。また携帯電話の電波も届きません。

 【走行DATA】 

宮崎県東臼杵郡南郷村〜宮崎県東臼杵郡椎葉村

【起点→終点方向を走行】

2002年4月8日

国道388号線 その4

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