|
国道425号線 (3) |
|
R425の和歌山県田辺市龍神村〜奈良県吉野郡十津川村間のうちの東半分となる十津川村内区間は、龍神村から来ると秘境3ケタ国道区間から脱し、山中の集落をつないで進む生活道路となります。対向車に出会う機会も増えます。道路的には狭路が続きますが、和歌山県内に比べると整備が進んでいるので走りやすくなります。 |
||
■奈良県吉野郡十津川村 |
||
●歴史>>こちら |
国道425号線 【奈良県吉野郡十津川村】 |
【レポートは県境(和歌山県田辺市龍神村)→吉野郡十津川村方向(終点→起点方向)です。】 |
■奈良県吉野郡十津川村 【牛廻越】 |
||||||
県境を過ぎると奈良県吉野郡十津川村に入り、県境から少し進むと牛廻越に至る。牛廻越は奈良県内にある峠で県境とはなっていない。R425最大の名所となりえる場所なのだが、展望はあまり良いとはいえない。紀伊半島の深い山中を実感できるぐらいだ。それでも悪路を走破したという達成感は十分感じることができる。 ”牛廻越”という峠名の由来ははっきりしないのだが、R425の先祖にあたる江戸時代の街道に由来があるそうだ。江戸時代十津川村と龍神村は両村を結ぶ街道(十津川往来)を用いて交易していた。その大きな取引の一つに牛の取引があり、両村から成牛や仔牛を引いてきて峠で交換(交易)したことから”牛廻越”という名が付いたらしい。 ちなみに一つ南にあるr735(県道龍神十津川線)の引牛越の由来は、大きな栂の木に牛をくくりつけてら、大きな蜘蛛が木ごと牛を糸に巻いて深い谷に引きずり込んだ伝承が由来となっている。【*参照:十津川村の昔話】 |
||||||
|
||||||
<<写真はすべて平成22年(2010年)4月撮影>> |
■奈良県吉野郡十津川村 【十津川村迫西川】 |
||||||||||||
牛廻越を過ぎると断崖下を通る1.5車線狭路坂道になる。カーブの続く揺るやかな勾配の坂道を下って行く。一部に落石や亀裂があったりするが、和歌山県内のような大きく荒れた路面ではないので走りやすい。奈良県に入るとガードレールの設置も多くなるので気分的に楽になる。自治体(この場合は県)が変わるだけで、大きく路面状態が変わるのだ。 牛廻越から2kmほど進むと倉庫に至る。林業関係の倉庫のようなのだが、ここから集落が近いのだろう。さらに少し進むと『学校あり』の標識が現れた。この近くに学校があり通学する生徒がいるということだ。久々に人の気配を感じるようになり、秘境3ケタ国道区間から脱したことを実感できた。 杉林の中を少し進むと吉野郡十津川村迫西川(せいにしかわ)の集落に到着する。牛廻越から約5kmで、和歌山県田辺市龍神村小又川集落から約18kmぶりの人家である。 |
||||||||||||
|
||||||||||||
<<写真はすべて平成22年(2010年)4月撮影>> |
■奈良県吉野郡十津川村 【十津川村迫西川〜十津川村小坪瀬】 |
||||||||||||
十津川村迫西川の集落を過ぎると、R425は1車線狭路のままで急坂を下って行く。1kmほど進んで急カーブを曲がると、西川沿いの谷間に下り、そこから先は谷間を進んで行くことになる。最初は西川の右岸を進んで行くが、ほどなくして左岸に移る。以後は蛇行する西川に沿ってウネウネと見通しの悪いカーブを描きながら進んで行くが、谷間を行くわりにはアップダウンが連続する。 道幅は一部に狭い2車線道となる区間もあるが、ほとんどが1〜1.5車線の狭路が断続する。十津川村迫西川地区とR168を結ぶ唯一の生活道路ということもあり、路面状態は良好で走りやすい路面となっているので助かる。ただガードレールの未設置区間も多く、見通しの悪い区間が長いので対向車に注意が必要な場所も多い。そのような狭路を淡々と進んで行き、迫西川集落から約7kmfr十津川村小坪瀬(こつもせ)地区の集落に至る。 |
||||||||||||
|
||||||||||||
<<写真はすべて平成22年(2010年)4月撮影>> |
■奈良県吉野郡十津川村 【十津川村小坪瀬〜十津川村小山手】 |
||||||||||||||||||
十津川村小坪瀬地区の集落を過ぎると蛇行する西川に沿って1〜1.5車線道を進んで行く。やがて西川と支流の片川との合流点付近で片川を渡り、橋の北詰にある林道片側線分岐点を右折 して狭路を進んで行く。400mほど進むと素堀隧道を通り抜ける。現役国道に素堀隧道があるのがR425らしい。隧道の距離は20mほどしかないが、隧道の幅は1車線しかなく先入車優先となる短い隧道だ。 隧道を出ると栃尾地区の集落を抜け、再びアップダウンのある狭路となる。1〜2kmおきに集落が現れ、それら集落を繋ぎながら淡々と進んで行き、十津川村小山手(こやまて)の集落に至る。 |
||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||
<<写真はすべて平成22年(2010年)4月撮影>> |
■奈良県吉野郡十津川村 【十津川村小山手〜十津川村玉垣内】 |
||||||||||||||||||
十津川村小山手地区を過ぎると、平坦な狭路で西川沿いをウネウネと進んで行く。 集落間は川沿いをウネウネと進む狭路が続くのは、山間を行く典型的な3ケタ国道の姿。R425も然りである。 山間をしばらく進むと十津川村光野垣内地区の集落に至る。集落を出て800mほどで赤いトラス橋の大谷橋を渡る。大谷橋東詰では林道奥大谷線と奥大谷支線の2本の林道が分岐している。また大谷橋から先は熊野古道(小辺路)のルートに沿って進むことになる。 大谷橋を過ぎると1.5車線狭路で山間の集落を繋ぎながら進んで行く。十津川村西中地区からは家屋の数も増え始め、それにともない車の通行量も増えてくる。大谷橋から約2kmで天神橋を渡り、東詰で舗装林道の林道川津今西線分岐点に至る。 |
||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||
<<写真はすべて平成22年(2010年)4月撮影>> |
■奈良県吉野郡十津川村 【十津川村玉垣内〜十津川村蕨尾】 |
||||||||||||||||||
十津川村玉垣内の天神橋東詰を過ぎると1.5〜狭い2車線道が断続するようになる。沿道の家屋も増えてくる。山間のローカル国道だが、幹線道路としての役割を担っており車の通行量は多くなる。ただ所々では狭い場所や見通しの悪い場所が残っており注意が必要だが、牛廻越までの和歌山県内区間と比べるとかなり走りやすい道になっている。 いくつかの集落を繋いで走り、天神橋から6kmほど進むとセンターラインのある2車線道となる。久々に見たセンターラインだ。『昴の郷』前を通り過ぎると新西川トンネル(L=219m)に入る。トンネル東口 前のr735(県道龍神十津川線)交差点を過ぎると狭い1.5車線道になるがすぐに2車線道となり、新西川トンネルから600mほどで柳本橋北詰のR168との交差点に到着する。和歌山県田辺市龍神村湯ノ又のR371交差点から約47km、牛廻越から約31kmである。 |
||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||
<<写真はすべて平成22年(2010年)4月撮影>> |
<<MEMO>> |
|
■概況・交通量など R425の和歌山県田辺市龍神村〜奈良県吉野郡十津川村間(約46km)の奈良県内区間は、R168と沿道にある集落を結ぶ生活道路となっています。1〜3kmおきぐらいに集落が続くので、狭路ですが整備がなされおり、和歌山県側と比べると道路状態は良好です。また数キロおきに民家があるのと、通行する車がぼちぼちと現れるので気分的には楽になります。ただ基本的には見通しの悪い狭路が続く悪路で、あくまでも3ケタ国道なので注意して走りましょう。 交通量はR168に進むにつれて増えて行きます。村営バスも走っています。対向車もぼちぼちと現れますので、見通しの悪い箇所では対向車に注意が必要です。土日や観光シーズンは、ナビに誘導されて迷い込んできた観光客の乗用車 やツーリングのバイク、沿道の林道に向かうオフバイクに会うことがあります。 ■ガソリンスタンド ありません。最寄りは 吉野郡十津川村蕨尾地区の町中にあるGSとなります。 ■アドバイス 基本的に悪路走行の初心者の方は行かれない方がよいでしょう。走り始めて無理だと思ったら迷わず引き返すことをお勧めします。どうしてもという場合は、複数名・複数台で行かれるのがよいでしょう。 自転車の場合は体力・時間に余裕を持って計画を立ててください。吉野郡十津川村迫西川地区を過ぎれば数kmおきに集落や公衆電話・自販機などがありますが、念のため食料・飲料水は事前に購入しておきましょう。 ■注意点 紀伊半島の深い山中を走ります。大雨や台風の時は土砂崩れなどの自然災害が多発する国道で、過去何回か大規模な災害を被っています。悪天候時は走ってはいけません。道路通行規制が行われている時は必ず指示に従ってください。 また街灯などはないうえ、ガードレールが設置されていない区間もあるので、夜間走行は大変危険となります。夜間はもちろん日没間近には走らない方がよいでしょう。早朝も日の出以降に走ることをお勧めします。 晩秋や早春は路面凍結・積雪があります。走行には要注意です。田辺市龍神村小又川〜和歌山県奈良県・県境(牛廻越)の間は12月〜 翌年3月末まで冬期通行止めとなりますが、実質的に吉野郡十津川村迫西川から西は通行止めになるようです。 |
|
●走行DATA |
|
奈良県吉野郡十津川村 【終点→起点方向を走行】 >>走行日:平成22年(2010年)4月8日/他 |
|
注意>>この区間は、走行方向問わず何度か走行しています。走行日は使用写真の撮影日のみを記載しています。 |
|
■この項終わり |