国道317号線

ROUTE317

起点:愛媛県松山市→終点:広島県尾道市(95.9km)

●概況

 国道317号線は、愛媛県松山市から今治市を経由して、大島・伯方島・大三島・生口島・因島・向島と瀬戸内海に浮かぶ6つの島々を渡って広島県尾道市に至る瀬戸内縦断3ケタ国道。島単位で分断された海上区間を含む分断3ケタ国道でもある。誕生したのは1970年(昭45年)4月で、82年4月(昭57年)4月に今治〜松山間が延長されて現在の区間になった。

 1999年(平11年)5月の『しまなみ海道』の暫定開通により、有料R317の自動車道区間(西瀬戸自動車道)が途中で分断されながらも繋がっており、一応全通していることになるのだろう。

●DATA/走行日:各項参照/走行方向:各項参照/レポート記述方向:起点→終点

◆Update:2004年3月12日

国道317号線(1)

愛媛県松山市〜愛媛県今治市

愛媛県今治市吉海町〜愛媛県今治市宮窪町(R317大島区間)

愛媛県今治市伯方町(R317伯方島区間)

○国道317号線

  愛媛県松山市〜愛媛県今治市

■愛媛県松山市

 R317の起点は松山市中心部 の松山市役所前。ここはR11とR33の終点であり、R317・R379・R440・R494の起点にもなっている。起点からは伊予電鉄の市内線(路面電車)との併用区間となっており、松山市街中心部を進んで行く。愛媛県庁前を過ぎてしばらく行くと勝山交差点 に至る。愛媛県庁方面から来たR11が右折する交差点で、R317はR11などと別れて単独国道として分岐する。この勝山交差点では伊予電鉄の市内線(路面電車)が左折する。そのために車用と路面電車用の2つの信号がある交差点で、車の行き来が終わった後に路面電車がゆっくりと曲がって行く光景が見ることが出来る。

 勝山交差点からR317に入ると、2車線幅の道で松山市街を東に向かう。勝山交差点から800mほど進むと、松山市でも下町っぽい所を通る。松山市紅葉町内で右折するとやや狭い2車線区間が現れるが、すぐに石手川に出て左折すると2車線国道となって北東に進む。R317は何度かクネクネと交差点を曲がりながら進み、徐々に市街地から離れて行く。

 松山市街を抜けると郊外の2車線国道となる。松山市北東部地区からの幹線道路ということもあり交通量は多く、松山市街行き車線は結構混雑している。勝山交差点から6kmほど進むと奥道後温泉街を通過する。ホテル前を過ぎて少し進むと湧ヶ渕TNを抜けて、徐々に山間へと入って行く。

 奥道後温泉から2.5kmほど進むと石手川ダムを通過。ここからしばらくの間はダムによって出来た白鷺湖沿いを進む、ほぼ平坦な2車線ワインディング区間に入る。見通しの悪い急カーブが何度が現れる。r179(県道湯山北条線)が分岐すると、橋でダム湖を渡ってさらに山中へと向かって行く。

 ダム湖を過ぎると、松山市内とは思えない山中を進んで行く。R317は山間の農村を繋ぎながら淡々と進んで行く。道自体は整備された2車線道が続くが、徐々に勾配のある坂道となって行く。トラックなどの姿がなければ、山間のローカル国道然とした雰囲気が漂う。

 山間にある松山市大井野町を過ぎた付近から、R317は徐々に急勾配の坂道となる。1.2kmほど急な坂道を上ると、やがて立派なTNが現れる。1994年(平6年)頃に開通(供用開始)した水ヶ峠TNである。このTNの開通(供用開始)によって、それまで分断区間であったR317の四国本島区間は全通している。勝山交差点から水ヶ峠TN松山口まで約19kmであった。

1.この先が勝山交差点。R317は直進する。

  (R11松山県庁方向より撮影。)

2.松山市街を進んで行く。この付近、水路側に

  ガードレールがなかった。

3.白鷺湖沿いの区間はこんな感じの2車線道が

  続く。見通しの悪いカーブが多い。

4.白鷺湖を過ぎると山間を進んで行くようにな

  る。道も徐々に坂道になって行く。

5.やがて長い急勾配の坂道を上る。

  (今治市→松山市方向を撮影)

6.坂を登り切ると水ヶ峠TNに到着する。写真は

  TN松山市側抗口を撮影。

■愛媛県 今治市【今治市玉川町〜今治市片山】

 水ヶ峠TNは約2.2kmの高規格道路のTNで、ほぼ直進している。TNの途中で愛媛県玉川町に入る。TNを出ると 今治市玉川町の山間に出る。R317は2車線道のまま、蒼社川に沿って山間を淡々と進んで行く。山間の農村集落をいくつか繋ぎながら進んで行く。

 水ヶ峠TNから4.7kmほど進むと玉川町竜岡下地区の町に入り、r17(県道北条玉川線)との交差点に到着する。ここからは玉川湖という玉川ダムによって出来たダム湖沿いを進んで行く。玉川ダムを過ぎると急カーブの坂道を下り、玉川町長谷でr15

4(県道東予玉川線)との交差点に達する。

 ここからは平坦な2車線道となって今治市 中心部に向かう。都市近郊の農村地帯からやがて町中へ入る。やがて交通量も増えて町中国道へと変わる。今治市郊外の町中を淡々と走り、水ヶ峠TN(松山側抗口)から約17kmでR196との片山交差点に到着した。松山市の勝山交差点から約38kmである。

 

7.玉川町長谷地区を進んで行く。この付近から

  は平坦な2車線道となる。

8.今治市市街近くの片山交差点。この先でR1

  96今治BPと交差する。

 

■愛媛県今治市【今治市片山〜今治市波止浜】

 片山交差点を過ぎると今治市街へと入って行く。市街地内は路肩の広い2車線道となっている。今治中心街へ向かう幹線道路なので交通量は大変多い。JR予讃線を過ぎ、片山交差点から約2.4kmでr38(県道今治波方港線)との交差点に到着。この近辺が今治市市街中心部となる。

 r38との交差点を左折すると、R317は片側2車線の4車線道路となる。すぐ先にある今治市役所前付近はロータリーのような構造となっており右回りで進んで行く。ロータリーを過ぎると上下線が再び合流して4車線道となって、今治市北西部の町中を進んで行く。r38交差点から4kmほど進むと西瀬戸自動車道(しまなみ海道)今治北ICを通過。そこから300mほど進んだr161交差点で4車線区間は終わる。

 r161交差点を左(直進)に向かうと、R317は2車線道となる。今治市波止浜(はしはま)地区に入り、r161交差点から約1.4kmのr15(県道大西波止浜線)との交差点を右折。ここからは古い港町の中を進む1.5〜狭い2車線道となってクネクネと進み、やがで波止浜港に到着した。ここがR317四国本島区間の終点である。

 片山交差点から約9km、松山市の勝山交差点から約47kmである。

9.今治市中心街からは4車線道路となる。この

  先にロータリーがある。

10.今治市北西部の町中を通る4車線道を進ん

  で行く。

11.波止浜に近づくと、道は2車線道となる。

  (波止浜港→今治市街方向を撮影)

12.波止浜港へは、この先の交差点を右折する。

  左折するとr15に入る。

13.波止浜の古い町中を進んで行く。1.5〜狭

  い2車線道だった。

14.波止浜港に到着。R317四国本島区間の終

  点となる。

<<MEMO>>

■概況・交通量など

<<愛媛県松山市〜愛媛県今治市>>

 この区間は松山〜今治を結ぶ都市連絡国道の役割があります。同じく松山と今治を結ぶR196が海沿いを進むのに対して、R317は山中を進んで行きます。この区間のR196が約43kmでR317とあまり差はありません。R196は途中で北条市を経由するので交通量が多くなるため、R317経由の方が早く移動することが出来るそうです。(地元のタクシー運ちゃん談) 近年ではR196のバイパス整備が進んできているため、差は縮まってきていると思われます。大型トラックやトレーラは、勾配のある坂道があるR317よりは平坦なR196を走った方が燃費がいいようなので、あまり姿を見かけていません。

 R317は、周辺から松山・今治両市街への幹線道路となるため、通勤時間帯は市街へ向かう車で混雑しますが、その時間帯を外せばまだマシなようです。

<<愛媛県今治市>>

 片山交差点〜波止浜港の間は、今治市街の幹線道路となっているため交通量は多い区間です。市役所近くのロータリーからすぐの所に今治のフェリーターミナルがあるので、そこに行き来する車やトラックの姿が目立ちます。また今治北IC付近までは西瀬戸自動車道に出入りする車で混雑しています。土日や行楽シーズンはかなり混雑するそうです。

 波止浜港近辺は静かな港町となっています。

■ガソリンスタンド

 市街地内にはGSがありますが、水ヶ峠TN前後の松山市河中町〜玉川町竜岡下の間にはGSはないので注意して下さい。

■アドバイス

 整備された道なので特に問題なく走ることが出来るでしょう。水ヶ峠TNは直線の道が続くので速度に注意して下さい。

 自転車の場合は、どちらから走るとしても長い坂道を上り続けることになります。時間・体力などに余裕を持って走った方が良いでしょう。ただ水ヶ峠TNは約2kmはある長いTNなので、良く目立つ格好で走ることをお勧めします。(歩道があったかどうかは忘れました・・・m(_ _)m)

■注意点

 冬期は路面凍結・積雪があるので注意した方がよいでしょう。また山間を進むので悪天候時は土砂災害などにも注意が必要です。

●走行DATA

愛媛県松山市〜愛媛県 今治市玉川町【起点→終点方向を走行】

>>走行日:2000年5月26日

愛媛県 今治市玉川町〜愛媛県今治市波止浜【起点→終点方向を走行】

>>走行日:2000年5月26日/03年5月9日

注意:03年5月9日は、今治市街とr154を往復しています。

【合併情報】

●2005年(平17年)1月16日付けで、愛媛県今治市と愛媛県越智郡の朝倉村、玉川町、波方町、大西町、菊間町、吉海町、宮窪町、伯方町、上浦町、

 大三島町、関前村の1市9町2村が対等合併し、『愛媛県今治市』になりました。

○国道317号線

 愛媛県 今治市吉海町〜愛媛県今治市宮窪町

■R317大島区間愛媛県 今治市吉海町〜愛媛県今治市宮窪町

 R317の大島区間は大島の 今治市吉海町(旧:越智郡吉海町)下田水(しただみ)港から始まる。海岸沿いに600mほど進んだ付近にあるr49(県道大島環状線)との交差点を左折すると、向きを北東に変えて大島の内部へと入って行く。2車線の坂道を登り約1kmで、西瀬戸自動車道大島南IC前を通り過ぎる。

 大島南ICから先は、大島内の自動車道が建設中ということもあり、自動車道から下りてくる車・観光バスなどの通行量が増える。R317は平坦な2車線道で吉海町の町を淡々と繋ぎながら進んで行く。吉海町平田の町を抜けると、徐々に山間に入って行き再び2車線の坂道となる。長い坂道を上ると宮窪峠という峠を越えて 今治市宮窪町(旧:越智郡宮窪町)に入る。急カーブのある下り坂を進むと、西瀬戸自動車道大島北ICを通り過ぎる。ここからは交通量は減ってローカル国道然とした道となる。

 やがて宮窪町宮窪地区の町に入る。R317は町の北西側を通るので町中は通らない。平坦な2車線道を1kmほど進むと宮窪港前のr49とのT字交差点に到着。ここがR317大島区間の終点となる。下田水港より約9kmである。

1.下田水港フェリー乗り場前がR317大島区間

  の起点。後ろは来島海峡大橋。

2.路肩には52kmポストが立っていた。支柱の

  付近から国道扱いなのだろうか。

3.吉海町の町中を進んで行く。山に近い町を進む

  国道で、島国道という感じではない。

4.宮窪町宮窪に到着。宮窪地区は別ルートで

  建設されたBPのようだ。

5.やがて宮窪の町中へ入る。平坦な2車線道で

  進んで行く。(宮窪→下田水方向を撮影)

6.宮窪港前の交差点がR317大島区間の終点。

  伯方大島大橋へ向かうには左折する。

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 大島内のR317は全線2車線道ですが、島ながら2つの峠越え区間があり、島国道を走っているようには思えない道となっています。

 大島内の西瀬戸自動車道がまだ未完成で建設中ということで、自動車道を走る車・バス・トラックなどは一度R317に下りることになります。そのため大島内のR317の交通量は、両端部で少なく中間区間で多い状態になっています。完成すればこの状態も解消されるでしょう。

 大島区間の起点となる下田水港には今治市街近くの今治港を結ぶ協和汽船のフェリーが発着しています。来島海峡大橋経由よりも安く、短い時間で今治市街へ入ることが出来るので利用者が多いようです。そのため、フェリー到着後の港周辺は混雑することがありますが、しばらくすると静かな港町に戻るのでそらからのんびり走ると良いでしょう。

 終点となる宮窪港周辺は、静かな漁港町です。伯方島尾浦を結ぶシーセブンフェリーが発着していますが、大島と伯方島の間にある鵜島を結ぶのが主目的の小さなフェリーで運航されています。しまなみ海道の一翼は担っていません。伯方島へは伯方大島大橋を渡ることになります。

■ガソリンスタンド

 町中や沿道にGSがあります。

■アドバイス

 バイク・車では問題なく走ることが出来ます。

 自転車の場合、長い坂道があるので時間に余裕を持って走って下さい。

■注意点

 悪天候時は注意して走って下さい。

●走行DATA

愛媛県 今治市吉海町〜愛媛県今治市宮窪町(大島区間)【起点→終点方向を走行】

>>走行日:2000年5月26日/03年5月9日

【合併情報】

●2005年(平17年)1月16日付けで、愛媛県今治市と愛媛県越智郡の朝倉村、玉川町、波方町、大西町、菊間町、吉海町、宮窪町、伯方町、上浦町、

 大三島町、関前村の1市9町2村が対等合併し、『愛媛県今治市』になりました。

○国道317号線

 愛媛県 今治市伯方町

■R317伯方島区間【愛媛県 今治市伯方町】

 伯方島のR317起点は、 今治市伯方町(旧:越智郡伯方町)尾浦にある尾浦港。大島宮窪港から鵜島経由でやって来るシーセブンフェリーが発着する小さな漁港だ。港から狭い2車線道で町中を進む。300mほどでr50(県道伯方島環状線)との合流点に到着。R317はここで急角度で左に曲がり伯方町有津(あろうづ)に向かう。

 500mほど進むと整備された平坦な2車線道となる。町の海岸沿いを淡々と進み有津港を過ぎると、急勾配の坂道となって島の海岸線に沿って進んで行く。船折瀬戸を過ぎると、島の海岸線に沿って北西に進路を変える。西瀬戸自動車道を過ぎた辺りで原付道への連絡道路が合流。ほどなくして伯方町叶浦(かなうら)地区へ入る。

 伯方島ICを過ぎると平坦な2車線道で町中を淡々と進んで行く。枝越の町を過ぎると再び自動車道を過ぎる。その先で原付道の連絡道路が左に分岐。緩やかな坂道を下って行くと伯方町伊方の町中に入り、平坦な2車線道を淡々と進んで行く。

 町の北方でr50が分岐すると程なくして熊口港に到着する。尾浦港から約8kmである。

1.R317伯方島区間の起点となる尾浦港。

  静かな漁港だった。

2.有津地区では整備された平坦な2車線道を

  進んで行く。

3.叶浦地区の町中を進んで行く。伯方島ICがあ

  る。道の駅も設けられている。

 

 

4.終点の熊口港。人気のない静かな港だった。

  すぐ向こうに大三島の瀬戸港が見えている。

 

 

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 伯方島のR317は素朴な島内の3ケタ国道。ICがあるものの下りる車はそう多くはなく、走っていた車はほとんど地元車でした。ローカル国道の雰囲気が強い区間です。全区間に渡ってのんびりした『島の時間』が流れています。

 大三島へのフェリーはないので、大三島大橋を渡る必要があります。

■ガソリンスタンド

 有津地区と叶浦地区にGSがあります。

■注意点

 悪天候時は走行に注意して下さい。

●走行DATA

愛媛県 今治市伯方町(伯方島区間)【起点→終点方向を走行】

>>走行日:2000年5月26日/03年5月9日

【合併情報】

●2005年(平17年)1月16日付けで、愛媛県今治市と愛媛県越智郡の朝倉村、玉川町、波方町、大西町、菊間町、吉海町、宮窪町、伯方町、上浦町、

 大三島町、関前村の1市9町2村が対等合併し、『愛媛県今治市』になりました。

>>国道317号線(2)

R272〜R328に戻る