国道503号線

起点:熊本県阿蘇郡高森町→終点:宮崎県日向市(112.9km)

●概況

  国道503号線は熊本県阿蘇郡高森町を起点として宮崎県日向市を終点とする3ケタ国道。単独区間は宮崎県五ヶ瀬町と諸塚村の間の約39kmのみ。残る73kmほどは上位国道と重複している。

  国道503号線は飯干峠を越える。西南戦争で敗れた西郷隆盛率いる軍が重火器を抱えて撤退した峠としても有名。同区間は急峻な山中を走る1〜1.5車線幅の狭路が続く悪路区間となっている。

●取材DATA

>>走行日:2001年4月10日

>>走行方向:起点→終点

>>レポート記述方向:起点→終点

●変遷

 1993年(平5年)4月1日:熊本県阿蘇郡高森町〜宮崎県日向市の国道として誕生。

 現在に至る。

◆Update:2008年10月23日

>>R450〜R507に戻る

国道503号線

熊本県阿蘇郡高森町〜宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町〜宮崎県東臼杵郡諸塚村〜宮崎県日向市

○国道503号線

 【熊本県阿蘇郡高森町〜宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町〜宮崎県東臼杵郡諸塚村〜宮崎県日向市】

【レポートは熊本県阿蘇郡高森町→宮崎県日向市方向(起点→終点方向)です。】

■熊本県阿蘇郡高森町〜宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町

 R503の起点は熊本県阿蘇郡高森町のR265とR325の交差点。ここからR503はR265と重複したまま南に向かう。道は整備されており2車線の快適な道である。

 南に向かったR265とR503は阿蘇郡蘇陽町松葉交差点でR265と共にR218と合流。ここからはR218と重複して東に向かい宮崎県 西臼杵郡五ヶ瀬町に入る。山中の快適な2車線道を6kmほど進むと、西臼杵郡五ヶ瀬町のR218・R503の交差点に到着する。

■宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町【五ヶ瀬町広木野〜五ヶ瀬町尾平】

 R503はR218から分岐すると2車線道となって五ヶ瀬町内を南に向かう。R218との交差点から800mほど進むと、しだれ桜で有名な浄専寺のある五ヶ瀬町宮ノ原地区の集落内を通り過ぎる。集落内を通り過ぎると三ヶ所川に沿って進んで行く。川の流れに沿ってウネウネとカーブが連続する区間もあるが、道幅は2車線幅に改良されているので走りやすい。五ヶ瀬町坂本地区までは沿道に民家はないので 山間を延々と走って行く。

 五ヶ瀬町坂本地区を通過すると、 周囲は徐々に山深くなり始める。道は2車線幅のままなのだが、徐々に勾配が急になって行く。ブラインドカーブも増え始める。R218分岐交差点から約10km付近まで来るとセンターラインのない2車線道となり、異常気象時や冬期閉鎖時などに閉められるゲートが現れた。少なくとも、これより先には民家はないと言うことである。

1.この先がR503分岐交差点。逆光で見えず

  らい。R218熊本県側から撮影。

2.五ヶ瀬町宮ノ原地区の町中を行く。この付近

  は2車線道が続く。

3.三ヶ所川に沿ってウネウネと2車線道で進む。

  (飯干峠→R218方向を撮影)  

 

 

4.センターラインのない2車線道となり、やがて

  ゲートが現れた。ここから先は悪路区間。

 

 

<<写真はすべて2001年4月撮影>>

■宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町【五ヶ瀬町尾平〜飯干峠】

 ゲートを越えてからは狭い2車線幅の道が続くが、やがて1.5車線幅 の急勾配・急カーブの坂道が連続して現れるようになった。いくつかカーブを曲がると前方の山肌に白いガードレールが何段にも重なっていることに気が付いた。これから走るであろうR503だ。

 その付近からR503は1車線幅の狭路となり急勾配・急カーブが連続するようになる。舗装はされているが、路面は少し荒れている。ガードレールが設置されているのがせめてもの救いだ。一軒の民家もない山中を 淡々と進む。先ほど走って来た道が足下に見える。上を見るとこれから走る道が見える。まだ山腹の途中だ。

 やがて『R503【飯干峠】』と書かれた標識が現れた。まだ坂道の途中なのだが峠が近いことの証だ。そこからさらにいくつか急カーブを曲がる。そして1.5車線幅ぐらいの少し広い左カーブを曲がると 峠に到着した。ここが西臼杵郡五ヶ瀬町と東臼杵郡諸塚村との境にある飯干峠である。ゲートから約5km、R218分岐点から約15kmである。

 飯干峠の分水嶺付近は広場になっている。ここから北東方面の展望は良く休憩ポイントにちょうど良い。広場には『西郷隆盛退陣路の碑』と『県道開通記念碑』が建っている。飯干峠の看板と『R503【飯干峠】』と書かれた標識も堂々と立っている。ちなみにR503の前身は県道五ヶ瀬諸塚線である。

5.ゲートを越えてからもしばらくは狭い2車線道

  が続く。進むに連れて悪路っぽくなってくる。

6.狭路となりウネウネと進むようになる。この写

  真を撮影中に大型トラックに抜かれた。

7.五ヶ瀬町側の峠手前ではこんな感じの狭路坂

  道が続く。見通しが悪い。

8.走ってきた狭路を見てみる。ご覧の通り、ウネ

  ウネしている。

9.飯干峠に到着。峠付近は広くなっている。

  峠を越えると東臼杵郡諸塚村に入る。

10.峠を越えると下り区間になる。標識の地名に

  は『飯干峠』と記されている。

<<写真はすべて2001年4月撮影>>

■宮崎県東臼杵郡諸塚村【飯干峠〜諸塚村飯干】

 飯干峠を越えると宮崎県東臼杵郡諸塚村に入る。今までの上りから一転して下り区間に入る。諸塚村側も道幅は1車線。急勾配の狭路坂道を下り急カーブを幾つも曲がって行く。これから走る道が足下に見えている。しばらくすると先ほど走って来た道が頭上に見える。その繰り返しだ。諸塚村側には一部で狭い2車線幅の区間が現れるが、それはわずかの距離だけ。ほとんど1〜1.5車線幅の狭路が続くと考えた方がよい。

 いくつも急カーブを曲がって行く。カーブの度に標高が下がって行く。ふと停まって峠の方を見ると、今まで走って来た道のガードレールが山腹にくっきりと筋を描いているの分かる。驚いたことにあの道を下ってくる大型トラックの姿が見えた。それも2台連続して・・・。五ヶ瀬町内でもトラックに抜かれたが、まさか大型トラックが走る3ケタ国道とは思わなかった。

 やがて沿道に畑や農機具倉庫が見え始めた。集落が近いようだ。ほどなくして諸塚村飯干地区の集落内に到着した。犬が道の真ん中で堂々と寝ているという長閑な集落である。ここまで飯干峠から約7km、五ヶ瀬町のR218分岐点から約22kmだ。

11.峠を越えてからも急勾配の狭路坂道が続く。

  (R327→飯干峠方向を撮影)

12.一部に2車線道が現れるが、ほとんどは見通

  しの悪い狭路が続く。

13.この付近まで下りてくるとぽつぽつと畑が現れ

  る。道の勾配も緩くなる。

 

 

14.諸塚村飯干の集落に到着。山間の長閑な農

  村だ。久々の集落となる。

 

 

<<写真はすべて2001年4月撮影>>

■宮崎県東臼杵郡諸塚村【諸塚村飯干〜諸塚村榎木谷】

 諸塚村飯干地区の集落を過ぎると、R503は七ッ山川に沿って谷間を進んで行く。平坦な谷間の道で、一部に2車線幅の区間があるがほとんどが1〜1.5車線幅の狭路である。飯干地区から南には何kmおきに集落があり、山中の集落を結ぶ。交通量はそれなりにある。諸塚村の町から唯一の道ゆえ、地元車の通行が多いようだ。

 延々と深い谷間の鬱蒼とした狭路を進む。平坦な道なのだがなかなかペースが上がらない。七ッ山ダム前後になると2車線幅の道が現れる。R327が近いのでこのまま2車線幅が続くかと思われたが、1kmほどで終わり元の道幅に戻った。さらにその先は、R327が近いというのに1車線道となり深い谷底を走るようになる。民家はなくなり薄ぐらい谷間の道を進んで行く。

 やがて突然深い山中から脱して集落の中に出た。そこから先は道の拡幅工事が行われていた。工事現場を過ぎると2車線幅の道となり、諸塚村の町中に入りR327との交差点に到着した。R503単独区間が終わる。

 飯干峠から約24km、五ヶ瀬町のR218分岐点から約39kmであった。

15.飯干地区からは山間の川沿いを行く平坦な

  狭路区間となる。

16.道幅は1.5車線ぐらい。広狭混在区間とな

  る。(R327→飯干峠方向を撮影)

17.ダム近辺などではセンターラインのある2車線

  道になるが、ダムを過ぎると狭路に戻る。

18.またもや狭路となって谷間を進む。見通しの

  悪い区間が続く。

19.榎木谷地区の町中に到着。ここはすでに拡

  幅されている。(R327→飯干峠方向を撮影)

20.R327との交差点をR503側から撮影。日向

  市へは、この交差点を左折する。

<<写真はすべて2001年4月撮影>>

■宮崎県東臼杵郡諸塚村〜宮崎県日向市

 R503は宮崎県東臼杵郡諸塚村からR327と重複する。東臼杵郡諸塚村から日向市までのR327は整備・改良が終わった快適な2車線道区間となる。日向市東郷町(旧:東臼杵郡東郷町)からはR446が加わって、3本の国道の重複区間となって東に進んで、終点のR10との交差点である新生町交差点に到着する。東臼杵郡諸塚村のR327合流点から日向市の新生交差点まで約49kmである。

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 唯一のR503単独区間であり悪路区間であるのが、宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町と東臼杵郡諸塚村の間。飯干峠にあった開通記念碑の説明文によると、同区間の前身は1967年(昭42年)10月に開通した県道 五ヶ瀬諸塚線で、1993年(平5年)4月に国道となりました。

 R218 からの分岐交差点からしばらくの間こそ2車線幅ですが、九州の山中を通るため、ほとんどの区間は1〜1.5車線幅の急勾配・急カーブが連続する狭路です。ゆえにペースが上がらず(撮影しながらということもありましたけど)、R218→R327の約39kmを2時間ほどかけて走りました。

 峠麓の集落までは結構車が走っていますが、峠越え区間の交通量は少ない道です が対向車には注意して下さい。

■ガソリンスタンド

 五ヶ瀬町坂狩と諸塚村宮の中にGSが1軒あるだけです。これらのGSの間、飯干峠を挟んだ区間にはGSはありません。共に小さいGSなので、営業時間・定休日に注意して下さい。(2008年の原油価格高騰により閉鎖している可能性があります。)

 R503に入る前にはガソリンのチェック・給油は必ずして下さい。

■アドバイス

 急勾配・急カーブの狭路が連続する悪路区間です。東臼杵郡椎葉村内に同じ飯干峠という名の峠があり、そちらを越えるR265よりは走りやすい飯干峠越えです。バイク・車の運転初心者の方には少しつらい峠道かも知れません。出来るなら2人以上で向かって下さい。

 長距離ツーリングのコースに組み入れる場合は、時間を多めに見積もっておいて下さい。結構時間がかかります。西南戦争の史跡・戦跡巡りツーリングでは必ず走る道となります。

 急勾配の坂道が連続するので、自転車の場合は体力・時間が必要です。下りはブレーキワイヤーの切断に注意して下さい。

■注意点

 飯干峠は標高1020m。冬期は路面凍結・積雪があると思われす。冬期通行止め規制があるかどうかは分かりませんが、冬期はバイクで走らない方がいいでしょう。また車で行く場合はチェーン必須です。

 雨の時も崖崩れなどが起こるかも知れません。大雨の後に走る時は、役所などに問い合わせて道路状況を確認して下さい。

 夜間走行はやめた方が無難です。何かあっても、おそらく誰も助けに来てくれません。

●走行DATA(単独区間のみ)

宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町〜宮崎県東臼杵郡諸塚村

【起点→終点方向を走行】

>>走行日:2001年4月10日

【合併情報】

●2006年(平18年)2月25日付けで、宮崎県東臼杵郡東郷町が宮崎県日向市に編入され、『宮崎県日向市東郷町』になりました。

 

国道503号線【終】

>>R450〜R507に戻る