国道193号線(2) |
■徳島県那賀郡那賀町〜徳島県名西郡神山町 ■徳島県名西郡神山町〜徳島県吉野川市 |
○国道193号線 【徳島県那賀郡那賀町〜徳島県名西郡神山町】 |
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【レポートは那賀郡那賀町→名西郡神山町方向(終点→起点方向)です。】 |
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■徳島県那賀郡那賀町【那賀町平谷〜那賀町日真】 |
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那賀郡那賀町(旧:那賀郡上那賀町)平谷地区からはR195と重複して東へ向かう。R193とR195の重複区間では、番号が上であるR193が格上になっているが、昭和50年(1975年)にR193が徳島県海部郡海南町(当時)まで延長されたために重複区間になっただけで、もともとはR195単独だった区間。どちらかというと格上のR193がR195に居候していると言える。 重複区間の道は2車線幅で、那賀川を堰き止める長安口ダムによって出来た長安口貯水池の南岸を走る。平坦な道で緩やかなカーブが続く走りやすい道だ。以前はダム湖南岸をウネウネと進んでいたが、平成12年(2000年)以降に平田にトンネル(L=800m)・平田2号トンネル(323m)などのバイパストンネルが開通して、直進して進む区間が増えている。 重複区間内には昔ながらのやや幅の狭いトンネルが現役で残っている。那賀町日真のR193・R195交差点南にある出合トンネルもその一つで、同トンネルは幅が狭いトンネルで交通量が多いことから、トンネル抗口前に信号機が設置されて交互通行トンネルとなっている。3ケタ国道らしいトンネルだ。 しかし交互通行トンネルである出合トンネルも、現在建設中のバイパス道路とバイパストンネルが近々供用開始となるそうなので、交互通行トンネルも過去の話ということになる。 |
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<<写真はすべて平成13年(2001年)7月撮影>> |
■徳島県那賀郡那賀町【那賀町日真〜那賀町沢谷】 |
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出合橋北詰交差点を左折するとR193単独区間に入る。R193は坂州木頭川に沿って北へ向かう のだが、まだ長安口貯水池の一部となっているので、細長い湖の東岸を走って行くことになる。 改良・整備された快適な2車線道で川岸(ダム湖岸)を進んで行く。日真(ひま)トンネルを過ぎてしばらく行くと、旧那賀郡木沢村域に入る。出合橋北詰交差点から4.5kmほど2車線道を進むと、かつての村役場があった那賀町板州地区に至る。山間の町を通り過ぎ ると追立ダム横を通り抜けて追立トンネル(L=276m)を通り抜ける。 追立ダムから少し進むと、平成19年(2007年)4月末に開通した木沢トンネル(L=1280m)に至る。木沢トンネルは災害復旧として建設されたトンネル。かつては南(出合橋寄り)から『大用知トンネル−加州谷橋−符殿トンネル−符殿橋』の順に川沿いを通り抜けていた。ところが平成16年(2004年)8月の台風8号による豪雨により、大規模な山崩れが発生。多量の土砂がR19 3に流れ込み、符殿トンネルが埋没し橋梁が押し流されるなどの被害が生じたため、この区間をトンネルで通り抜けることにして建設されたのが木沢トンネルなのである。 木沢トンネル開通で、旧道となる先のルート上にあるトンネルは廃隧道となってしまった。しかし、そこは3ケタ国道。珍しいことに木沢トンネル南抗口付近は大用知トンネルを流用したため、 木沢トンネル竣工直後はトンネルの途中に”付け替え”となる木沢トンネルと旧道(廃隧道となった大用知トンネル)の分岐点があった。(今は閉鎖されたかも知れない) また大用知トンネルの一世代前の大用知隧道(廃隧道)も残っており、この付近はトンネルの変遷を知ることが出来る場所となっている。 木沢トンネルを出て500mほど進むと那賀町名古ノ瀬地区の集落内へ入る。ここにあるGSは雲早隧道方面への最後のGSとなる。そして集落を抜けて2kmほど進むと、r295(県道木沢上那賀線)分岐交差点に到着する。R195分岐交差点から約10kmである。 |
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<<写真はすべて平成13年(2001年)7月撮影>> |
■徳島県那賀郡那賀町【那賀町沢谷】 |
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r295交差点付近は坂州木頭川と沢谷川の合流点にもなっており、r295が分岐するT字交差点を右折すると、R193は1車線道となり悪路区間に入る。急勾配の狭路坂道を上ると右側に大轟の滝が見える。その先からは急勾配のヘアピンカーブを曲がりながら標高を上げて行き、急勾配の狭路坂道を上ると那賀町側最後の集落となる沢谷地区に至る。集落内でr16(県道徳島上那賀線)分岐交差点を過ぎると、民家はなくなり深い山中に入って行く。 R193は狭路坂道で沢谷川沿いに進んで行く。道は比較的整備された1〜1.5車線道が断続。霧越峠区間に比べると走りやすい狭路坂道だが、絶壁の下を通るので路面には落石が転がっている。r295分岐交差点から4kmほど進むと素堀 トンネルを通過。少し長い素堀トンネルを出ると大釜の滝を見ることが出来る。 素堀トンネルからは急勾配の狭路坂道を登る。この付近では釜谷峡と呼ばれる 沢谷川支流の釜ヶ谷川の渓谷を見ながら坂道を登って行くことになるが、車だと渓谷を見ながらのんびりと走る余裕はないかもしれない。 |
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<<写真はすべて平成13年(2001年)7月撮影>> |
■徳島県那賀郡那賀町【雲早トンネル付近】 |
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r295分岐交差点から8kmほど進むと、剣山スーパー林道(西部区間)の分岐点に到着。ここからさらに1kmほど急勾配の1車線道を進むと雲早隧道(那賀町側抗口)に到着する。R195分岐交差点から約20kmである。トンネル南側は剣山スーパー林道(東部区間)の分岐点となっている。 スーパー林道(西部区間)分岐点の案内標識には、R193の表示はなくr253(県道山川海南線)の表示しかない。ところが雲早隧道南側抗口付近にはR193国道標識が設置されていた。雲早隧道の南側が国道なのか県道なのかがはっきりしない。 国土地理院の地形部では、おおつく谷分岐付近からr253となっている。どうやらR193はその付近で途切れているようだ。県道のようなのだが、どうやら便宜上国道標識を設置しているのかもしれない。 |
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<<写真はすべて平成13年(2001年)7月撮影>> |
■徳島県名西郡神山町【雲早隧道〜神山町大中尾】 |
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雲早隧道前後でR193は途切れている。分断区間となるのだが、この間はr253(県道山川海南線)で連絡されており、通り抜けは可能である。雲早隧道を越えると徳島県名西郡神山町に入る。隧道から北側はr253(県道山川海南線)単独区間とな っているが、国道も県道も同じような道路状態なので、R193を走っているように思える。 県道となっても道幅は1車線のままで、急勾配・急カーブが連続する。3kmほど進むと鬱蒼とした杉林の中へ入り、薄暗い狭路を進むことになる。見通しの悪いカーブが連続するので対向車に注意して進む。道は狭路ながら整備されており比較的走りやすい。 鮎喰川の支流である大中尾谷川沿いの谷底に近づくと、急勾配のヘアピンカーブを2つ曲がって薄暗い谷底に下りて行く。そして雲早隧道から8kmほど走ると神山町大中尾地区の集落へ到着する。 集落内にある下宮神社の鳥居前付近にある急カーブまで来てようやくR193の標識が立っていた。 国土地理院発行の地形図でも、その付近から国道となっているので、神山町側の端点はこの付近ということになるのだろう。 |
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<<写真はすべて平成13年(2001年)7月撮影>> |
■徳島県名西郡神山町【神山町大中尾〜神山町上分】 |
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名西郡神山町大中尾地区からは500〜1kmおきぐらいに集落を通り過ぎながら神通谷川に沿って進んで行く。途中で1kmほど2車線幅の区間があるが、道幅はおおむね狭路の1車線幅のままで急勾配の坂道が続く。 下宮神社前から5kmほど進むと薄暗い杉林の中を通り抜ける。そして鮎喰川を渡るとR438との交差点に到着する。雲早隧道から約13km、上那賀町のR195分岐交差点から約34kmであった。 |
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<<撮影年月の記載が無い写真はすべて平成20年(2008年)7月撮影>> |
<<MEMO>> |
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■概況・交通量など この区間は平成13年(2001年)7月以来走っていないため、前のレポを修正して記載しています。木沢トンネル開通で道路整備が一気に進み、今では2車線区間が延びていると思われますが、r295交差点から先はほとんど変わっていないでしょう。 整備された区間と悪路区間のギャップが大きい道です。 この区間はR193分断区間を挟む区間です。雲早 隧道〜神山町大中尾地区の約8kmの間はr253(県道山川海南線)で連絡されており、通り抜けは可能になっています。県道ですが県道標識はなく、わずかに 那賀町(旧木沢村)側の案内標識に県道の表示があるだけでした。分断状態となっているのは雲早隧道下に新トンネルを建設する構想でもあるのでしょうか? 旧木沢村内の主要道路なので、2車線道区間では交通量の多い道ですが、狭路区間はかなり少なくなります。スーパー林道へのバイクや車の通行も目立つので、対向車に注意が必要です。 ■ガソリンスタンド r295交差点の手前(R195寄り)の集落内にGSがあります。雲早トンネル前最後のGSとなります。 ■アドバイス バイク・車の初心者ライダー・ドライバーに とっては運転が大変な道です。1人では絶対に走らないようにして下さい。ベテランと一緒に行くか、複数台で走ることをお勧めします。 また剣山スーパー林道への連絡道路ともなっているので、土日祝日・シーズン中はオフロードバイクや4WDなどが走るようなので対向車への注意が必要です。 ■注意点 r295分岐点 〜雲早隧道〜r253間は比較的標高の高い四国東部の山中を走ります。冬期は路面凍結・積雪のある区間ですので、晩秋〜早春にかけては走らない方が無難でしょう。断崖下を走る区間もあるので、悪天候時・大雨の後も大変危険です。道路情報は事前に確認してから走ってください。 山中を進むため日没はライト以外に照明はありません。r295分岐点〜雲早トンネル〜R438交差点間の日没後の走行は大変危険です。走らないことをお勧めします。 雲早隧道を含む区間では12月〜翌年3月末まで積雪のため冬期通行止めとなるそうです。この時期に行かれる方は事前に確認してください。 |
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●走行DATA |
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徳島県那賀郡那賀町〜徳島県名西郡神山町 【終点→起点方向を走行】 >>走行日:平成13年(2001年)7月20日 |
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●取材協力(同行走行)>>satounoさん/かざねがたなさん |
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【合併情報】 ●平成17年(2005年)3月1日付けで、徳島県那賀郡鷲敷町・相生町・上那賀町・木沢村・木頭村の3町2村が対等合併して、『徳島県那賀郡那賀町』に なりました。このうち木頭村のみ『那賀町木頭』となっています。 |
○国道193号線 |
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【レポートは名西郡神山町→吉野川市方向(終点→起点方向)です。】 |
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■徳島県名西郡神山町【神山町上分】 |
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鮎喰川を渡る橋の北詰を左折すると名西郡神山町上分地区の集落に入る。ここからR193はR438・R439と重複して西に向かうことになる。3国道の重複区間なのだが、表示は最上位のR193のみとなる。 もともとは 昭和50年(1975年)4月にR193が海部郡海南町(当時)まで区間延長された時に国道指定された区間で、長らくR193単独国道区間であった。昭和57年(1982年)4月にR439が誕生した際にR193・R439の重複区間となった。前項の写真29に『R439』の表示があるのは、そういう経緯による。そして平成5年(1993年)4月に経路変更でR438 も加わったため、3国道の重複区間となった。ただ重複区間は1kmほどと短い。 鮎喰川沿いに狭い2〜2車線道を進んで行くと、2車線坂道と側道のような1.5車線狭路の分岐点に至る。ここがR193とR438・R439の分岐点。R193は2車線坂道の方に進み、早くもR193単独となり北に向かうことになる。 |
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<<写真はすべて平成20年(2008年)7月撮影>> |
■徳島県名西郡神山町〜吉野川市山川町〜美馬市穴吹町 |
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R438・R439分岐交差点からは整備された急勾配の2車線道が続く。北谷川に沿って山の斜面を一気に駆け上がる。急カーブもあるが、おおむね直線の坂道だ。途中から川を挟んだ対岸の集落内を通る1車線の旧道が確認できる。分岐交差点から3kmほど進んだ神山町名ヶ平地区の集落内で旧道と合流し、その付近から道幅は狭くなる。 1〜1.5車線幅の急勾配・急カーブが連続する悪路区間に入ると、舗装路面に亀裂が入っていたり剥がれている箇所があるなど少し荒れている道路となる。山深い所を走るので展望は良くない。R438・R439分岐交差点から7kmほど走ると経の坂峠に到着。峠直前では緩やかな坂道となっていた。 峠を越えると吉野川市美郷(旧:麻植郡美郷村)に入る。『ほたるの里』として有名な清流や自然の豊富な村だ。吉野川市美郷に入ってから1kmほどの間は緩やかな勾配の坂道が続く。道幅も1.5車線幅となり少し走りやすくなる。やがて急勾配・急カーブの1〜1.5車線幅が断続する道となる。峠から3kmほど山中を進むと吉野川市美郷古井地区の集落に至り、ぽつぽつと農家や田畑が現れ始める。さらに2kmほど進むと集落の中心地へと入り1〜2車線幅が断続するようにな り、やがて整備された2車線道となり、古井地区から2kmほど進むと吉野川市美郷宮倉地区へ至る。 宮倉地区からは吉野川の支流の川田川に沿って進む。道は平坦な2車線道で、走りやすい整備された路面なので快走出来る。やがて吉野川市山川町(旧:麻植郡山川町)に入り、1kmほど進むと山川トンネルを抜ける。さらに整備された2車線道を2.5kmほど進むとJR徳島線を跨線橋で渡り、急勾配の坂道を下ってR192との瀬詰交差点に到着する。経の坂峠から約14km、神山町のR438・R439分岐交差点から約21kmであった。 この後は西に向かい、徳島県美馬市穴吹町(旧:美馬郡穴吹町)の穴吹橋南詰までR192と重複して進む。 |
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<<写真はすべて平成13年(2001年)7月撮影>> |
<<MEMO>> |
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■概況・交通量など R438・R439重複区間を除いた、この区間のR193も平成13年(2001年)7月以来走っていません。走行当時はバイパス工事が行われていました。今では完成して2車線快走路区間が南に延長していると思われます。この区間については北側から南に向かって整備が進んで行くようです。 道路的にはR192〜R438のアクセス道路ということになりますが、交通量は少なく地元車が走る程度です。 ■ガソリンスタンド R192交差点付近の市街地内にありますが、R192以南のR193沿いにはGSはありません。ガソリン残量には注意してください。 ■アドバイス 悪路的にはそれほど難易度は高くありませんが、走り慣れていない方には少し辛い道路となります。出来れば複数人・複数台で行かれることをお勧めします。 ■注意点 悪天候時は土砂崩れなどの危険があるので走らない方が無難です。冬期は路面凍結・積雪の可能性があるので、走行には要注意です。道路情報の確認は必ず行ってください。 |
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●走行DATA |
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徳島県名西郡神山町〜徳島県吉野川市山川町 【終点→起点方向を走行】 >>走行日:平成13年(2001年)7月20日 |
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●取材協力(同行走行)>>satounoさん/かざねがたなさん |
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【合併情報】 ●平成16年(2004年)10月1日付けで、徳島県麻植郡鴨島町、川島町、山川町、美郷村の1村3町が対等合併して『徳島県吉野川市』になりました。この うち麻植郡山川町は『吉野川市山川町』、麻植郡美郷村は『吉野川市美郷』になりました。 |